「猫を処方いたします。4」石田祥 ~ニケ先生と千歳さんの「最後の患者さん」? 大人気シリーズ最新第4作~

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 /処方される~ ♪\
 
 ――「充電が切れそうになったら、どこかで猫満タンにしてくださいね

 京都市は中京区の路地にある、不思議なクリニック「中京こころのびょういん」

 ドアを開けて辿りついた患者さんたちを、
クールに見えて情に厚い京女ナース(?)千歳さんと、調子のいい京男ドクター(?)のニケ先生が迎えてくれます。

 ――「僕の手際のよさを知りませんね?チャチャチャッと患者さんをさばいて、シュッとして、パッとして」

 そんなひょうひょうとしたニケ先生にも、実は苦手な患者さんが……?

 2025年3月書き下ろしの、大人気シリーズ第4弾。
 
 \シリーズ前回記事はこちら/

 
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■目次■

 

猫を処方いたします。4アイキャッチ

「猫を処方いたします。4」あらすじ・感想

第一話

 母親と一緒に「中京こころのびょういん」にやってきた稲田海斗(いなだ かいと)は、背は高いけれどまだ声変わりもしていない小学6年生。

 オンラインゲームやSNSを「居場所」とみなして、のめりこむ海斗のことを、スマホ依存ではと母親は心配します。

 そんな海斗にニケ先生は、

「わかりました。では猫を処方いたします」

 と、薄いグレーのアメリカンショートヘアのメス・あんずを処方して――。
 
 12歳という高齢猫のあんずの、スローな動きの描写が印象的でした 笑
 
 海斗の同級生の勝治瑠衣(かつじ るい)ちゃんが、やたら大人っぽいです。
 
 とはいえ海斗も、十分大人っぽい。
 こんなに聞きわけのいい小6男子見たことない~ 笑
 
 これまでの奇怪な現象を、ビルのオーナー井岡(いおか)に相談しようかと悩む、「中京こころのびょういん」隣室の椎名彬(しいな あきら)も登場します。

第二話

「私って、可愛くないよね?」

 と、同級生の青木太陽(あおき たいよう)にしつこく尋ねる、21歳の大学3回生・荒川凪沙(あらかわ なぎさ)

 人気女性タレントに比べて、自分の見た目が劣っているという考えで頭がいっぱいの凪沙は、太陽のすすめでニケ先生のもとへ。

 黒とうす茶と白がまだらに混じったエキゾチックショートヘアの6歳のオス・ナゴムを、「飲みきりで6日間」処方されて――。
 
 ドアが重い患者さんの回。
 
 本筋とは関係なさそうですが、いきなり両肩脱臼してるとかいいだすニケ先生が怖かったです……。
 
 
 太陽の話に出てきた、中京こころのびょういんがきっかけで浪人を諦めた友だちとは、第2巻第3話でシャシャを処方された翔祐(しょうすけ)のことでしょうか?
 
 \第2巻はこちら/

 
 読んでいてイラッとさせられる凪沙と、しっかりものの7歳下の妹・水帆(みずほ)
 
 
「本人が気付かへんだけで、背中というのは押されてるもんです」
 
 というニケ先生。
 
 
 シリーズ初(?)の、ラブの要素も!

第三話

 朝5時起きで、夫や娘・孫の朝ごはんの準備を一手に引き受ける、50代後半の陣内(じんない)サツキ

 夫のお弁当や持ち物から、ときには若手社員のお弁当まで用意し、家事も済ませた上で自分も出勤するという、(まぶしすぎてわたくしとらじには直視できない 笑)スーパー主婦です。

 毎朝、仏壇へのお供えと共に、6年前に死んだ愛猫チャトの写真にも欠かさずフードを供え、週末は「保護猫センター都(みやこ)の家」でのボランティアをしているサツキ。

 そんな妻を心配してメンタルクリニックに行った夫の宗隆(むねたか)が、茶と灰のブチに黄色い目の2歳のメス猫・ニニイを処方されて――。
 
 第1巻第1話で出てきた、建設会社の社長夫人で経理担当のサツキさんが今回の主人公。
 
 そちらの主人公だった秀太(しゅうた)目線では、めがねをかけた神経質そうな中年女性とされていました。
 かつて飼っていた猫(=チャト)は、19歳まで生きたとのこと。
 
 
(そういえば、今回話に出た秀太のお相手は、経理部の坂下(さかした)さんだな! お幸せに~)
 
 \第1巻の記事はこちら/

 
 前話では、でかい長男みたいなだんなさんを、きっちりシメてる奥さん、というイメージの社長夫妻でしたが、もうお孫さんもいる年齢だったんですね!(驚)
 
 
 あ、ボランティアのシーンで出てくる兄弟猫のトライアル再挑戦の家族、たぶん第3巻第2話の阿部さんちだ!
 
 保育園と1年生の年子がいる上に、シャーばっかする猫2匹お試しして、家の中ぐちゃぐちゃの、40代飲み会好き営業サラリーマン・阿部さんちだ! 笑
 
 \第3巻(前巻)の記事はこちら/
 
 保護猫ボランティアで裏方の仕事を引き受けて、直接猫と触れ合えない不人気な仕事だけど「猫を可愛がっている」と思う、というか思えるサツキ。
 
 猫にも人にも、
 直接かわいいかわいいと甘えさせるだけではなく、相手のために身体を動かすことで愛情を示す、感情表現は下手だけど愛情の器が大きい人なのです。
 
 
 そんな妻に、
 
「あの兄ちゃん、例のけったいな病院の医者にそっくりやで。同一人物とちゃうか?」
 
 と、これまで誰も口にしなかったことをさくっといっちゃう、自由な夫 笑
 
 
「すべての猫に対して公平」だけど、「自分の猫」には違うという、サツキと「保護猫センター都の家」副センター長の梶原
 
 
 急性期ではないペットロス(?)は、個人差も大きいのでしょうけれど、無理にどうこうしようとしなくていいのかも……。
 
 
 終盤、ビルのオーナー井岡のセッティングで、
 
  • 獣医の心先生
  • 保護猫センターの梶原
  • 芸妓のあび野
  • 「中京こころのびょういん」隣室の椎名

 

 が、ついに一堂に 笑

 
 あび野にドキドキ・梶原にイライラする椎名も面白いけど、
 なんといっても、あび野と梶原の今後が気になるところですよねー。
 
 そして、
 悩みがありそうな心先生に「中京こころのびょういん」をすすめるあび野
 
 このあとどうする? どうなる? 
 心先生。

第四話

 前巻第4話で処方された、メスのカオマニー・シロを、
「借りパク……じゃなくて、経過観察中」(ニケ先生談)
 の、21歳のアルバイト・鳥井青(とりい あお)

 メンタル不調で休職することになった姉の緑(みどり)に「中京こころのびょういん」を紹介した青ですが、緑がニケ先生たちのところへ辿りつけなかったと知って、家を飛び出し――。
 
 \前巻(第3巻)の記事はこちら/

 
 ビルの隣室の椎名が、本人の意思と関係なく大活躍する回です 笑
 
(前略)俺は、日本の健康を守る男や。危険に飛び込もうとしている子供を見過ごすわけにはいかんのじゃ」
 
 椎名かっこいい! 笑 
(でも「笑」がついちゃう 笑)
 
 
 あっ、青がバイト先で再開した中学の友だち・古賀笑里(こが えみり)ちゃんって、第1巻第2話の古賀さんちのひとり娘だ!
 
 ブチロクっていう名前で思い出しました 笑
 
 梶原くんのセンターから来たブチロク、かわいがられてるんですね。
 ご家族も、元気そうで仲良さそうでなにより 笑
 
 \第1巻の記事はこちら/

 
 
 半年ぶりに来院した青に頼まれて、姉の緑に、セピア色の縞模様があるカオマニーのオスの、名前もまだない子猫を処方するニケ先生。
 とりあえず「タビー」と名づける青。
 
 
「丸くていいのは猫だけです」
 
 フラグですね!
 
 
「あなたは最後の患者さんです。治ってくれへんかったら、いつまでもここを閉められませんからね」
 
 という、「眠すぎる」ニケ先生。
 
 
 猫は青ちゃんのことを、責めてないと思うなあ。
 
 
 意外と、噛んだことを気に病んでいるらしいニケ先生 笑
 それ本人にいってあげて 笑
 
 
 そして、あの患者さんは、ふたたび「中京こころのびょういん」に来てくれるのでしょうか――。

「猫を処方いたします。4」こんな方におすすめ

 猫好きさんや、京都好きさん、ファンタジー好きさんにおすすめです。

 疲れた大人にも、子どもにも、よく効きます。

 

 ペットロスに悩む方にも。

 

 

 
 

「猫を処方いたします。」読者特典:シリーズ表紙の猫ちゃんたちのイラストダウンロード

 出版元PHP研究所の公式サイトで、読者プレゼント企画をみつけました。
 
 なんと、霜田有紗先生が描かれた『猫を処方いたします。』シリーズ表紙のかわいい!猫ちゃんたちのイラストが、ダウンロードできるそうです。
「使用上の注意」など、説明をよく読んでご使用くださいね)
 
 興味のある方は、PHP研究所の公式サイトへどうぞ☆

 

 

 

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
 みなさま、どうぞ楽しい物語体験を ♪
 
 
 
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