「マスカレード・ゲーム」東野圭吾:シリーズ最新第4作・衝撃のラスト!ようこそ、ホテル・コルテシア東京へ

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「このゲームにルールはないと思っています。
 勝つためなら何でもやります。」

 連続殺人事件の3人の被害者は、いずれも過去に人を死なせた上、比較的軽い刑しか科されずにすんだ者だった。
 3人が起こした過去の事件の遺族たちが、ホテル・コルテシア東京に集まることが判明。
『マスカレード・ナイト』事件から数年、新田はまたしても潜入捜査を命じられる。
 だが、頼れるバディ・山岸尚美はロサンゼルス勤務で不在。


 ――いよいよ仮面を外す時が来たようだ――。

 ダ・ヴィンチ「BOOK OF THE YEAR 2022」小説部門第1位の人気作品。
 

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 前回記事に続き、
「マスカレード」シリーズ最新第4作、長編『マスカレード・ゲーム』を紹介します。
 
 経験を重ねて成長した新田と、前作ラストでロスへ飛び立った尚美
 
 今度のコルテシア東京では何が起こるのか
 
 衝撃のラストまで、目が離せません。
 
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■目次■
 

マスカレード・ゲームアイキャッチ

小説「マスカレード・ゲーム」あらすじ

『マスカレード・ナイト』事件から数年たった、ある年の12月。
 警視庁捜査一課の新田浩介警部は、3件の連続殺人事件を追っていました。
 
 正面からナイフで刺された3人の被害者たちには、いずれも人を死なせた過去が。さらに、比較的軽い刑しか科されず、すでに社会に戻って日常生活を送っていたという共通点もありました。
 
 ただし、被害者を恨んでいると思われる、それぞれが過去に死なせた人の遺族たちには、しっかりしたアリバイが。
 
 捜査一課長となった尾崎や、管理官となった稲垣の下、新田は先輩の本宮や女性警部の梓(あずさ)と同じ係長として、部下を率いて捜査を進めます
 梓係には、能勢警部補の姿も。
 
 そんな中、過去の3つの事件の遺族である、神谷良美(被害者の母)・森元雅司(被害者の息子)・前島隆明(被害者の父)が、ホテル・コルテシアに集まることが判明。
 新田は、まさかの3度目の潜入捜査を命じられます。
 
 しかし、かつての頼れるバディ・山岸尚美は、コルテシア・ロサンゼルス勤務のため不在。
 
 ターゲットがわからない中、強引な捜査を行う梓警部や、汚れ仕事を彼女にやらせて結果だけ得ようとする同僚たち。
 
 賑わうクリスマスのホテルを舞台に、所属先の警察と、自分を信頼してくれるホテル側との間で、板挟みになる新田ですが――。

小説「マスカレード・ゲーム」感想

キーパーソン・梓警部に腹が立つ(あっ、五七五に 笑)

 梓・本宮・新田の3人の係長(みんな警部)が、四六時中「これは俺の手柄」みたいなことをやっている姿にびっくりしました。
 そんなに個人プレーなの? 警察 笑
 
「このゲームにルールはないと思っています。勝つためなら何でもやります。」(単行本p130)
 
 といいきる、初登場の梓警部。腹立つな~ 笑
 
 とはいえ、そこは東野圭吾作品、腹が立つだけでは終わらせません 笑
 
 有能だけど強引で暴走のおそれがある彼女について、
 
「(前略)あの方は優秀です。根っからの刑事です。」
 
「(前略)期待に、梓係長は立派に応えておられると思います。女性でなかったら、もっと早くに出世していたでしょう。だけどあの人はくさらず、とにかく結果を出そうとしました。」
 
「(前略)あの方が望んでいることは単純明快です。正義を貫きたい、自分の手で悪者をやっつけたい、ただそれだけなんです。新田さんと同じです。」
 
 と、新田にフォローする能勢刑事。
 こんな人がまわりにいたら心強いですよねー。
 
 からの、
 
「警察での残り少ない時間を、あのじゃじゃ馬を調教することに使いたい」
 
 と、さらっといっちゃう
 あと3カ月ほどで定年退職予定の能勢さん。
 
 めっちゃ低姿勢な普段の態度と本音との落差がヒドイ 笑
(「調教」ってアンタ 笑)
 
 \有能で問題児な警察官といえば合田/

 
 \超問題児へと育つ合田/

今回も出ますホテルマンの名言

 今回も、タイトルの「マスカレード(=仮面)」にちなんだホテルマンの名言が。

 

「ホテルを訪れるお客様は、皆さん仮面を被っておられます。その仮面を守るのが私たちの務めだと思っています。それは同時に、仮面の下の顔を信じることでもあります。(中略)それがホテルマンの姿勢です」

 

 誰のセリフかは、読んでのお楽しみ ♪ 

意外な展開と意外な犯人からの、意外すぎる結末

 実は当方、導入部で、
「そこからそういう予想になる?」
 と少々もやもやしながらも、それはそれとして話を読み進めておりました。
 
 そうしたら、途中で事態がひっくり返って、物語は意外な展開に
 
 やっぱりねえ、と納得しながらも、新たに明らかとなった事実については、「そんなことあるかなあ?」と正直思いましたが 笑
 実は、ここからが本作の読みどころ!
 
 たとえば、単行本p311に出てきた、
 
「(前略)私は彼に償ってほしかったのです。(後略)」
 
 という、ある人物のセリフ。
 
 学生時代に受けた、法学部の授業を思い出しました。
 
(犯罪被害者の家族は長期的には、死刑よりも、犯人が自分の行為を反省することを望む、という調査結果があるという内容でした。
↑ 記憶も説明もざっくりです)
 
 他に、
 
「罪を償うことと自らを救うことは同じ」(単行本p364)
 
 という別の人物のセリフも。
 
 
 罪を償うとは、罪にふさわしい罰とは、何なのか
 
 どうすればそこに辿りつけるのか
 
 読み手は自然と考えることになります。
 
 
 でもまだ話は終わらない。
 物語はさらにツイストして、衝撃のラストへ!
 
 この先、どうなっちゃうんでしょうねえ……。
 
 最後まで目が離せませんよ~ 笑

「マスカレード・ゲーム」こんな方におすすめ

  • バディものが好きな方
  • 警察ミステリーが好きな方
  • 「マスカレード」シリーズのファン

 

  は、もちろんのこと、

 

  • 「償いとは何か」「罰とは何か」「救いとは何か」について考えたい方

 

  に、おすすめします!

「マスカレード」シリーズ全記事(全4作レビュー・ネタバレなし)

第1作 長編『マスカレード・ホテル』

 2011年9月単行本発売のシリーズ第1作長編について、

 あらすじ・感想と、映画化・舞台化作品を紹介しました。

第2作 短編集『マスカレード・イブ』

 2014年8月文庫発売のシリーズ第2作短編集について、

 収録全4話のあらすじ・感想を紹介しました。

 第1作の主人公新田と尚美の過去のエピソードで、時系列としては第1作より前の物語になります。

第3作 長編『マスカレード・ナイト』

 2017年9月単行本書き下ろしの第3作長編について、

 あらすじ・感想と、映画化作品を紹介しました。

最新/第4作 長編『マスカレード・ゲーム』(この記事です)

  2022年4月単行本書き下ろしの第4作長編について、

 あらすじ・感想を紹介しました。(この記事のことです)

 2025年3月に文庫化されたばかりの作品です。

 
 
 
 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
 みなさま、どうぞ楽しい物語体験を ♪
 
 
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