「マスカレード・ナイト」東野圭吾:シリーズ第3作は仮面舞踏会(マスカレード)!コルテシア東京の年越しパーティーへようこそ

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ホテル・コルテシア東京で行われる仮装カウントダウンパーティーに、殺人犯が現れるという密告が
ふたたび潜入捜査を命じられる新田浩介と、フロントクラークからコンシェルジュへと成長した山岸尚美。
シリーズ第1作に続いて、木村拓哉&長澤まさみのバディでふたたび映画化された大人気作です。
2017年9月単行本出版。
 
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「マスカレード」シリーズ第3作の『マスカレード・ナイト』を紹介します。
 
 シリーズ第1作と同様、映像化困難なトリックと、
 一流ホテルでの仮面舞踏会という、これまで以上にゴージャス✨な世界を、
 木村拓哉さん&長澤まさみさんのバディで映画化した大人気作品です。
 
\前回記事(シリーズ第2作)はこちら/

 

\シリーズ第1作の記事はこちら/

 
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■目次■
 

マスカレード・ナイト・アイキャッチ

小説「マスカレード・ナイト」あらすじ

 シリーズ第1作『マスカレード・ホテル』から数年(はっきりした数字はありませんが3年以上※)たった、ある年の12月26日
 
 前作ではフロントクラークだった山岸尚美は、ホテル・コルテシア東京のコンシェルジュとなっていました。
 
 前作同様、
「ホテルマンに『無理です』は禁句」
 をモットーに、個性的な客たちを相手に忙しく働く尚美。
 
 一方、警視庁捜査一課の新田浩介は、練馬区で起きた殺人事件を担当する同じ一課の矢口(やぐち)警部の係の応援に駆りだされます。
 
 匿名通報ダイヤルによって発見された20代女性の遺体は、ひとり暮らしのトリマーで妊娠初期。部屋には陽性を示す使用済み妊娠検査薬がありました。
 
 被害者は睡眠薬で眠っている間に、電気コードで感電死させられています。
 部屋に出入りしていた男性が目撃されていますが、該当する人物はみつかっていません。
 
 前作にも登場した尾崎管理官稲垣警部から、ふたたびコルテシア東京のフロントクラークとして潜入捜査を行うよう命じられる新田
 
 大晦日の夜11時から同ホテルで開かれるカウントダウン・パーティーに事件の犯人が現れるという、匿名の密告があったのです。
 
 パーティーの名前は
 
「ホテル・コルテシア東京年越しカウントダウン・マスカレード・パーティ・ナイト」(長い 笑)
 
 通称「マスカレード・ナイト」
 
 およそ400名が参加するという大規模な仮装パーティーで、仮装をしない参加者やホテルスタッフも仮面を着用するというルールがあり、ひとりひとりの顔を見分けられない分、捜査は困難となりそうです。
 
 品川署から矢口係へと異動してきた能勢刑事や、こちらもふたたびベルボーイに扮する後輩刑事の関根先輩刑事の本宮たちと協力して、12月28日からコルテシア東京のフロントに立つことになった新田。
 
 しかし、今回彼の補佐を担当するフロントオフィス・アシスタント・マネージャーの氏原(うじはら)は、刑事による潜入捜査に大反対で――。
 
(※とらじ注:
時系列としては、シリーズ第3作である本作『マスカレード・ナイト』は、第1作『マスカレード・ホテル』の次に起きた事件となります。
そのふたつの間にあるシリーズ第2作『マスカレード・イブ』は、第1作の前日譚です)

小説「マスカレード・ナイト」感想

ゴージャスで楽しい!「マスカレード」な一夜

 ホテルとは、基本的には寝泊りという「日常」を送るために利用するもの。

 でも、そのサービスと施設の品質が、利用客に「非日常」を提供してくれるんですよね。

 

 そんなただでさえ気持ちの華やぐ一流ホテルという舞台を、今回さらに盛り上げるのが、「仮面・仮装(=マスカレード)」・「年越しパーティー」というモチーフ。

 

 しかも、23時スタートのパーティーには、年越しの瞬間に参加者全員が仮面やかぶり物を外すというルールが。

 つまり、12時になったら元の自分に戻る、1時間だけのシンデレラスタイルなのです。

 

(パーティー前から仮装して、ホテルのあちこちでうろうろしてるお客さんも多いのですが 笑)

 

 潜入捜査官たちが顔の見えない犯人を追い、年を越した瞬間に、追う者追われる者すべての素顔が暴かれる

 という、ドラマチックな展開が約束されているわけで、

 こんなのもう、

 読む前から楽しいじゃないですか! 笑

 

 ただし、第1作の発表された2008年~2010年から、本作の書かれた2017年の間に、10年近い間隔があったせいか、物語の世界観は現代的に。

 ゴージャスとはいえ、バブリーとはちょっと違います 笑

 

 たとえば作中、とある客が行うサプライズ計画について、

 コンシェルジュである尚美は懸命に協力しながらも、内心

「こちらが恥ずかしくなりそうなベタなアイデア」

 と思っています 笑

コンシェルジュ尚美の名言出ました(文庫p263)

「お客様の仮面が外れたとしても、それに気づかないふりをするのもホテルマンの仕事です」
 
「下手に正確な時刻がわかるものだから、ぎりぎりまで時間を自分のために使おうとしてしまうんです。結果、遅刻をする。(後略)」
 
 すみません、反省しました!(時計の方)

本格ミステリー/バディものとして読みごたえアップ

 本作は、シリーズ前作よりも、本格ミステリーとしての面白さが増しているように感じました。

 

 元々、シリーズ3作目ということで、新メンバーの氏原を除けば、設定やキャラクター同士の人間関係は既にできています。

 しかも本作では、1作目『ホテル』ほどそれぞれのキャラの細かい感情を追いません。

 そのため、謎を追う話の展開がスピーディーに

 

 さらに、ダブル主人公状態だった第1作とは異なり、今回は新田視点のパートがメインのため、警察ミステリー色が濃くなっています。

 

 見方を変えると、この設定でホテルスタッフ側の感情をあまりリアルに描き込むと、そもそもこんな無謀な捜査するなよというか作品のリアリティーとけれん味がケンカしてしまうので、本作くらいの描きこみ方がちょうどいいのかも 笑

 

 とはいえ、尚美&新田や、能勢&新田のバディは健在

 それらを楽しみながら読むことで、安心して「マスカレード」の世界にひたることができました。

大胆なトリックと予想外の真相

  シリーズの前2作と同様、今回も

 ホテルの客たちもスタッフも「仮面」をかぶっているので、

 新田や尚美が彼らに振り回されたあとで一件落着、となってからも、事態は二転三転

 

 最後まで目が離せません(マジで)

 

 犯人が自己中心的なのも前作と同じですが(ばっさり)、

 メイントリックやあれこれの犯行動機は、一作目の『ホテル』よりリアルというか、読者が理解しやすくなった印象があります。

 

 特に、最後に明かされる「動機」となった問題は、早く何とかしなければならないと取り組まれている課題ですよね……。

 

(ネタバレ防止のためにふんわり書いております)

 

 つまり本作、

 ミステリーとして深みを増して魅力的に、

 

面白くなってますよ~! 
 

映画「マスカレード・ナイト」

 今回は、「マスカレード」というタイトルを、シリーズ3作目にしてまんま使ってきた「仮面舞踏会」のお話

 

 映(ば)えるけど、メイントリックの実写化が難しいかも?

 

 と思いましたが、

 2021年に映画化されているんですね 笑

 

 前作の映画「マスカレード・ホテル」(2019年公開・シリーズ第1作『マスカレード・ホテル』が原作)と同じく、

 新田浩介役は木村拓哉、山岸尚美役は長澤まさみ

 

 前作でおなじみのメンバーが脇を固めるほか、

 

・新田の補佐のフロントクラーク・氏原役に石黒賢(犯人?)

・新田がダンスを習うインストラクター役に中村アン(犯人?)

・尚美が振り回されるセレブ宿泊客・日下部役に沢村一樹(犯人?)

 

 などなど、今回も豪華な顔ぶれです。

 

「マスカレード・ナイト」こんな方におすすめ

  • バディものが好きな方
  • 本格ミステリー/警察ミステリーが好きな方
  • お仕事小説が好きな方
  • 一流ホテルでの年越し仮面舞踏会という、華やかな世界を楽しみたい方
  • スリリングな追跡劇を楽しみたい方

シリーズ次回予告

「マスカレード」シリーズ次回は、最新第4作長編『マスカレード・ゲーム』を紹介します。
 またおつきあいいただけたら嬉しいです。 
 

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 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
 みなさま、どうぞ楽しい物語体験を ♪
 
 
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