「世界一流エンジニアの思考法」牛尾剛(1)

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なぜ「世界一流」エンジニアたちは圧倒的に仕事ができるのか?
米マイクロソフトのシニアエンジニアが紹介する、AI時代を生き延びる思考法(マインドセット)
 

「世界一流エンジニアの思考法」
著者の意外な背景と経歴

 アメリカはシアトルのマイクロソフト社で、現役のプログラマーとして働く男性が書いた、「世界一流」エンジニアたちの思考法……と聞くと、正直もうおなかいっぱい感がありますが 笑

 

「はじめに」を眺めてみると、その先入観を変える必要があることに気づきます。
(眺めただけでもある程度内容が頭に入るほど、本書は読みやすく書かれています)

 

 なぜなら著者は、

 

●子どもの頃から「要領が悪」く、記憶力の低さや思考の混乱に長年悩まされ、成人してからADHDと診断された。

 

●コンサルタント、プロジェクトマネージャー、エバンジェリスト(=ITのトレンドや技術について説明・啓蒙する職種)としては成功したが、昔から憧れていたプログラマーとしては芽が出なかった。

 

●才能がないとわかっていても夢を諦められず、44歳でマイクロソフトに転職。

 

 という経緯を経て、現在の仕事についているから。

 

 つまり本書は、
「エリートが自分の業界のすごいところを紹介する(という、よくあるタイプの)本」
 ではなく、

「得意ではない分野で世界レベルの成果を出した人が、そのサバイバル過程で身につけた思考法を紹介している本」

 なのです。

 

■目次■

  

キーボード猫

学びになった! 主な内容

 プログラマーではない、どころか、コンピュータ業界のことがろくにわかっていないわたしにも 笑 この本に書かれたことは参考になりました。
 以下でそれらをまとめます。

なぜ「思考法」なのか?

「世界一流」エンジニアたちは、必ずしも普通の人よりずっと頭の回転が速いわけではないし、必ずしも天才的な記憶力を持つわけでもない。

 そんな彼らは、主に「思考法」によって高い生産性を得ている。
 それをまねることで、日本ではプログラマーとして通用しなかった著者は、世界最高峰のチームの一員として活躍できるようになった。

 

とりあえずの試行錯誤はしない

「世界一流」エンジニアたちはトラブルが起きたとき、やみくもに手を動かして試行錯誤せず、まずは事実を前に考える。


 トラブル解決の最短ルート
 =事実(ファクト)を観察し仮説を立て、そこで選んだ行動をとること

 

理解に時間をかけることを恐れない

 頭のいい人でも、新しいことを理解するときにはそれなりに時間はかかる。
 彼らの理解が早く見えるのは、時間をかけて積み上げてきた基礎力があるから。
 そして彼らは、新しいことを学ぶとき、焦ってその場しのぎの方法をとらず、まずは理解することに時間をかける。

 

すぐ質問する

 困ったとき、彼らはあれこれ調べたり試行錯誤したりせずに、まずはエキスパートに聞く
(日本では、「自分で調べてからわからないところだけ聞け!」と怒られがちだけど)
 なお、質問はメールなどのテキストより、音声で行う方が効果的。

 

「Be Lazy」(怠惰であれ):
できるだけ楽に価値を生み出す

やるべきことより、実際のキャパを考える

 仮に、やることリストに優先順位をつけるとしたら、彼らはその1番目しかやらない(=残りは放置する)イメージがある。
 1番インパクトのあるものを、確実にやるのが大事。(「2-8の法則」も参考に)

 

やることを「減らすこと」には、それ自体に価値がある

 ソフトウェアの機能の内、実際に使われるのは40%。たとえ100%を全力で作っても、その60%は使われない上、むしろその分のケアが増える。

 

時間は固定して、その中で価値をMaxに

 仕事の量は、定時で無理なくできることが前提。
 もしもそれが無理だとわかったら、その時点で納期を伸ばす。

 

失敗を責めない

 むしろ、早く失敗してそこから早く学ぼうとする
 変化の激しい世界では、検討ばかりしてさっさとやらずに遅れをとる方がリスクが高いから。

 

「計画の変更」は悪ではない

 フィードバックを受けて納期や仕様が変わるのは、成果の独創性・生産性・働く人たちのモチベーションを上げることになる。

 

その他

●マルチタスクはしない

●言語化で記憶力アップ

●反対意見を言うときは、「In my opinion」でソフトに

 

 長くなったので、次回に続きます!

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