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/金色の目の、この黒猫はもしや?\
――「ここは『中京(なかぎょう)こころのびょういん』です。ご覧の通り、僕と看護師の二人だけで細々とやってますんで、ほんまは新患さんはお断りしてるんですけど、特別ですよ。せっかくここまで来てくれはったんでね」
京都市は中京区の、
「麩屋町通(ふやちょうどおり)とか、富小路通(とみのこうじどおり)らへんを上がったり下がったりしてたら、ええ病院が」
あるとかないとか。
エレベーターのないビルを5階まで上がり、ドアを開けて辿りついた患者さんたちに、のらりくらりな京男子(?)ニケ先生とツンデレ京都美女(?)千歳さんが、今日も猫を処方します。
前作終盤で現れた、千歳さんの予約患者。
今作ではニケ先生の予約患者が、それもダブルで――?
2023年11月文庫書き下ろしの、大人気シリーズ第2弾です。
京都市は中京区の、
「麩屋町通(ふやちょうどおり)とか、富小路通(とみのこうじどおり)らへんを上がったり下がったりしてたら、ええ病院が」
あるとかないとか。
エレベーターのないビルを5階まで上がり、ドアを開けて辿りついた患者さんたちに、のらりくらりな京男子(?)ニケ先生とツンデレ京都美女(?)千歳さんが、今日も猫を処方します。
前作終盤で現れた、千歳さんの予約患者。
今作ではニケ先生の予約患者が、それもダブルで――?
2023年11月文庫書き下ろしの、大人気シリーズ第2弾です。
\シリーズ前回記事はこちら/
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「猫を処方いたします。2」あらすじ・感想
第一話
大好きな彼からの別れ話を回避したい、19歳の大学生・大谷萌(おおたにもえ)
押しに弱く、自分のことを「頼りない」と思う彼女は、通りかかったビルの5階の窓からニケ先生に強引に呼ばれて、「中京こころのびょういん」のドアを開けます。
「悩みに小さいも大きいもないと思いますけどね」
というニケ先生は、小さな虎のようなベンガルの子猫・虎徹(こてつ)を処方して、
「食べたもんと出したもんを」記録するようにと――。
押しに弱く、自分のことを「頼りない」と思う彼女は、通りかかったビルの5階の窓からニケ先生に強引に呼ばれて、「中京こころのびょういん」のドアを開けます。
「悩みに小さいも大きいもないと思いますけどね」
というニケ先生は、小さな虎のようなベンガルの子猫・虎徹(こてつ)を処方して、
「食べたもんと出したもんを」記録するようにと――。
前巻から思っていたことですが、
ニケ先生の「猫を処方します」のタイミングが、早い! 早すぎる! 笑
「猫を処方」するのは決定事項としても 笑、
どの猫にするのか、いつ判断してるの?
そして、
どうして千歳さんは、「猫持ってきて」だけでどの猫かわかるの? 笑
謎の病院で猫を処方されたという萌を、友だちの玲央奈(れおな)は信じてくれたのに、話もろくに聞かず信じない彼氏。感心しないわー。
(いやまあ信じにくいのはわかるけど 笑、話くらいちゃんと聞こうよ)
依存しそう、って彼女のこと勝手に決めつけるのも、感心しないわー。
でも、萌の方も、「自分の頼りなさを逃げの口実に」していたらしいし、お似合いなのかも。
「砂というのは、たいしたことないように思えて、実は猫の人生の何パーセントかを占める重要な物なんです。もう砂というのは……猫なんです」
って、いやいやいや、それはどうだろニケ先生 笑
とりあえず、切実なことはわかった 笑
猫もいろいろですが、察してタイプの猫というのもいるんですね!(驚)
オスの子猫虎徹、メスの子猫(若猫?)ノエル、キャットショーモデルの成猫ビビと、同じベンガルでも個性豊か。
そして、ヒョウ柄って、「関西のおばちゃん」御用達、ではなく、「大阪のおばちゃん」限定だったんですね~ 笑(要審議?)
第二話
妻の芽衣子(めいこ)に突然先立たれて以来、自分の部屋にこもりがちになった78歳の里中達也(さとなかたつや)は、息子の嫁の歩美(あゆみ)から、中京こころのびょういんへ行ってみるよう勧められます。
病院のある雑居ビルの階段で困っていると、同じ5階で「日本健康第一安全協会」事務所を構える椎名彬(しいなあきら)が現れ、おんぶで階段を上ってくれました。
派手なシャツに分厚い銀色の磁気ネックレス、派手な造作の日焼けした顔と、やたら圧の強い椎名は、隣の部屋は病院ではなく空き部屋だといいますが、ドアノブを回してみると、重いながらもドアは開きます。
中に入ってニケ先生の診察を受ける達也に、
「そやけど、念のためにちょっと猫であっためときましょうか」
と連れてこられたのは、白黒の特大の猫。
さらに、引きこもりだと思っていた17歳の孫の隼人(はやと)が、意外な行動を――。
病院のある雑居ビルの階段で困っていると、同じ5階で「日本健康第一安全協会」事務所を構える椎名彬(しいなあきら)が現れ、おんぶで階段を上ってくれました。
派手なシャツに分厚い銀色の磁気ネックレス、派手な造作の日焼けした顔と、やたら圧の強い椎名は、隣の部屋は病院ではなく空き部屋だといいますが、ドアノブを回してみると、重いながらもドアは開きます。
中に入ってニケ先生の診察を受ける達也に、
「そやけど、念のためにちょっと猫であっためときましょうか」
と連れてこられたのは、白黒の特大の猫。
さらに、引きこもりだと思っていた17歳の孫の隼人(はやと)が、意外な行動を――。
――猫は餅だ。つきたての餅だ。
って、いやいやいや何をいいだすんですかいったい 笑
夜型生活になった孫の心配をする達也に、
「夜型でええやないですか。夜のほうが楽しいですからね」
「静かやし、狩りもしやすいし」
というニケ先生 笑
今回は、病院の隣の部屋に事務所を構える椎名が大活躍。
ニケ先生の患者である達也に、以前ブリーダーが起こした事件の話をします。
保護猫センターの副センター長・梶原さんも、ちらっと登場。
――面倒になるのも億劫になるのも自分の選択だ。達也は鍵のかかった檻に入れられているのではなく、自由だ。猫が好きでないのも事実だ。何も悪くない。
という記述が印象に残りました。
変化球タイプの物語でしたが、いい感じに収まって、みんなよかったね。
(みちこさんを保護してた一家にとっては、よくなかったかも……)
第三話
第一話で主人公の萌の同級生だった、20歳の大学生・玲央奈(れおな)が主人公。
彼女の家で飼っているハジメは、琥珀色の縞模様に緑がかった琥珀色の目の、14歳のおばあちゃん猫。頭をこすりつけて甘えにきますが、撫でられるのは好みません。
実家を出て南区の保護猫センターで働く9歳上の兄と、兄に夢中の母、仕事で忙しい父。
ある日玲央奈は、幼馴染で二浪中の国枝翔祐(くにえだしょうすけ)の家で、グレーに茶色まじりのマンチカンの子猫・シャシャに出会います。
友だちの萌と同じように中京区のメンタルクリニックに行って、そこで働いていた玲央奈の兄・友弥(ともや)からシャシャを処方されたという翔祐。
シャシャを返す翔祐についていった玲央奈は、兄に瓜二つのニケ先生から、
「言いたいことが言えるようになったら、十日経たんでも、返しに来てもらっていいですから」
と、猫を処方されてしまい――。
彼女の家で飼っているハジメは、琥珀色の縞模様に緑がかった琥珀色の目の、14歳のおばあちゃん猫。頭をこすりつけて甘えにきますが、撫でられるのは好みません。
実家を出て南区の保護猫センターで働く9歳上の兄と、兄に夢中の母、仕事で忙しい父。
ある日玲央奈は、幼馴染で二浪中の国枝翔祐(くにえだしょうすけ)の家で、グレーに茶色まじりのマンチカンの子猫・シャシャに出会います。
友だちの萌と同じように中京区のメンタルクリニックに行って、そこで働いていた玲央奈の兄・友弥(ともや)からシャシャを処方されたという翔祐。
シャシャを返す翔祐についていった玲央奈は、兄に瓜二つのニケ先生から、
「言いたいことが言えるようになったら、十日経たんでも、返しに来てもらっていいですから」
と、猫を処方されてしまい――。
第一話の萌の友人として登場した、
さっぱりしていて気もつかえて猫にも詳しい玲央奈が今回の主人公です。
(一本気なイケメン女子!)
玲央奈の名字は、やっぱアレだったかー 笑
せっかく見にいった子猫が眠っていて遊べなくても、逆に
寝ている姿を見られてニヤニヤが抑えられないとか思う玲央奈 笑
ほんと、子猫は容易に人をおかしくさせますなあ 笑
ピンポイントに効く猫を三日間だけ服用って、なかなか厳しいわニケ先生……。
幼馴染の翔祐がシャシャにいった、
「届かへんところを諦めて、新しいとこにジャンプすんのも勇気やんな」
「俺もおまえも、勇気がある」
に、じわわ……。(からの号泣)
「誰かに言うてほしいことは、自分で言うのが一番早いです」
というニケ先生の言葉が、切ないです。
そしてそして、ついにニケちゃん(間接的ながら)登場!
玲央奈はうっすら、ニケ先生たちとご縁があることを察してるんですね。
(やっぱり、しっかりものだなあ)
第四話
「保護猫センター都(みやこ)の家」の副センター長・梶原友弥(かじわらともや)は29歳。
ひとり暮らしのマンションで飼っている猫のニケのことで、何カ月も悩んでいました。
金色の瞳の黒猫・ニケは、友弥が仕事でいない間に餌や飲み水を口にし、排泄もしているのに、友弥の前では目を覚まさないのです。
仕事上のミスが重なった友弥は、センター長の太田(おおた)や、同僚の寺田円花(てらだまどか)に心配されます。
センターの非常勤医・須田心(すだこころ)獣医のいる須田動物病院に近い、「中京こころのびょういん」を受診するよう勧められていたある日、3年前にニケを保護したビルにそっくりな建物をみつけた友弥。
ニケたちのいた5階の奥から2番目のドアを開けると、そこに現れた見覚えのある看護師が、友弥のことを予約済みの患者だといいます。
オッドアイの白猫を連れた鳥井青(とりいあお)という名前のショートカットの女性に、すれ違いざまにぎょっとした目で見られて、不思議に思いながらも診察室に入った友弥。
そこには、
「二人ともこうして忘れんと来てくれはったんで、ホッとしましたよ」
という、まるで鏡に話しかけているような気持ちにさせられるニケ先生が――。
ひとり暮らしのマンションで飼っている猫のニケのことで、何カ月も悩んでいました。
金色の瞳の黒猫・ニケは、友弥が仕事でいない間に餌や飲み水を口にし、排泄もしているのに、友弥の前では目を覚まさないのです。
仕事上のミスが重なった友弥は、センター長の太田(おおた)や、同僚の寺田円花(てらだまどか)に心配されます。
センターの非常勤医・須田心(すだこころ)獣医のいる須田動物病院に近い、「中京こころのびょういん」を受診するよう勧められていたある日、3年前にニケを保護したビルにそっくりな建物をみつけた友弥。
ニケたちのいた5階の奥から2番目のドアを開けると、そこに現れた見覚えのある看護師が、友弥のことを予約済みの患者だといいます。
オッドアイの白猫を連れた鳥井青(とりいあお)という名前のショートカットの女性に、すれ違いざまにぎょっとした目で見られて、不思議に思いながらも診察室に入った友弥。
そこには、
「二人ともこうして忘れんと来てくれはったんで、ホッとしましたよ」
という、まるで鏡に話しかけているような気持ちにさせられるニケ先生が――。
前作と同じくこの第2巻も、
最終話は、何度読んでも泣かされるお話でした……!
シメでは泣かすって決めてるんですか石田せんせー?!
さて、その内容について。
(今回ちょっと量が多いので箇条書きで)
・ついに登場しました、梶原くん!
・「しんどい時は、我慢せんと猫に頼ったほうがええんです」
「千歳さんに一日一回は怒られるのが癖になってしもてるんですよ。あはは」
という、ありがたいけどたまに腹の立つニケ先生 笑
・「効かない猫なんかいません!」
といいきる千歳さん。
常備猫(じょうびねこ)ってワード、強すぎる 笑
・――必要なのは感情を持って猫たちに接してくれる人だ。たとえ今日迎えてくれなくても、どこかで、違う形で、優しさを与えてくれる。
保護猫センターの状況や、作者の伝えたいことがよくわかる回でした。
・p221のふたり(?)のやりとりが、しぶといような・すがるような希望と、諦めと、はっぱをかけるのとが入りまじって、切ないです。
・梶原くんと獣医師・須田心先生の、意外な本心。
「僕は人の心にも動物の心にも、とても疎いからな。ほんまに皮肉な名前や」
これまであまり描かれなかった、心先生の内面。
・p259で大暴れ(?)する千歳さんと、周囲のリアクションがおもろい(爆)
ある意味この作品で一番の山場です、お楽しみに! 笑
(無責任なあおり)
・「世の中に猫はたくさんいます。どの猫も、ただの猫です。でもあなたが大事にしたら、それはただの猫じゃなくなる。ほんまに効くんです」
ニケ先生の言葉に、『星の王子様』を思い出しました。
・「どうか後悔しないことにしがみつかないでください」
というニケ先生の言葉が、刺さる……!
・サビ猫マルゴちゃん(前作第二話に登場)、今はお腹大きいのか~(メロメロ)
虎徹とノエルちゃん、お迎えされたんだ~(メロメロ)
タンジェリンさん(前作第四話に登場)はほんと、プロだよね……。(ビビも 笑)
・もうひとりの予約患者・鳥井青さんと、水色と黄色のオッドアイの白猫とはいったい?
・「猫が遠くへ行く時、思い描くのはあなたとの楽しい時間です」
「(前略)それでも寒くなかった。寂しくもなかった。私は最後まで彼女と一緒にいて、最後まで幸せやった。猫が人を愛するというのは、そういうことなんですよ」
そういうことなら、わたしもそんな風に人を愛せたら、いいなあ。
「猫を処方いたします。2」こんな方におすすめ
猫好きさんや、京都好きさん、ファンタジー好きさんにおすすめです。
疲れた大人にも、子どもにも、よく効きます。
猫のことはそれほど、という方や、ペットロスのことを考えたい方も、よろしければぜひどうぞ。
シリーズ次回予告
シリーズ次回は、第3作『猫を処方いたします。3』を紹介します。
またおつきあいいただけたら嬉しいです。
\かわいすぎてつらい ♪/
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\次回記事はこちら/
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
みなさま、どうぞ楽しい物語体験を ♪
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