「時計屋探偵と二律背反のアリバイ」(短編集「時計屋探偵の冒険 アリバイ崩し承ります2」第4話)大山誠一郎:あっぱれ!なトリックの日本推理作家協会賞作品

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「時を戻すことができました。――○○のアリバイは、崩れました」

「アリバイ崩し」を副業とする、美谷(みたに)時計店の店主・美谷時乃(みたにときの)

 那野(なの)県警捜査一課の新米刑事である「僕」は、今日も彼女に難事件のアリバイ崩しを依頼する。

 今回は、同じ時刻に離れた場所で起きた二つの事件の容疑者が同一人物という、「二律背反のアリバイ」で――。

 ドラマ化・マンガ化された「アリバイ崩し承ります」シリーズの、第2作『時計屋探偵の冒険 アリバイ崩し承ります2』収録作品です。

 2021年10月発表。
 第75回日本推理作家協会賞短編部門受賞。
 

 

 

 \単行本派はこちら/

 
 
 前回ご紹介した作品が、ミステリーと呼べるかどうかわからない超変化球だったので(いや、ボール球だったかも 笑)、
 今回はがちがちの本格ミステリーを。
 
 
 \前回記事はこちら/

 
 連作短編集『時計屋探偵の冒険 アリバイ崩し承ります2』の第4話、
 
『時計屋探偵と二律背反のアリバイ』
日本推理作家協会賞受賞)
 
 と、「アリバイ崩し承ります」シリーズをご紹介します。
 
 なお、このシリーズの作品は時系列順に並んでいますが、単体で読んでも問題ありません
 
 
      \読みたい項目へGo ♪/
■目次■
 

アリバイ崩しアイキャッチ

「時計屋探偵と二律背反のアリバイ」(短編集「時計屋探偵の冒険 アリバイ崩し承ります2」第4話)あらすじ

 架空の街・那野(なの)県鯉川(こいかわ)商店街にある、写真館と精肉店に挟まれた美谷時計店
 
 年季の入った木の外壁に、一間半ほどの間口。
 からんころんと鐘の鳴る扉を押し開けると、カウンターの向こうでは、若い女性店主・美谷時乃(みたに ときの)が時計を修理しています。
 
 いつものように彼女に「アリバイ崩し」を依頼する、那野県警捜査一課の新米刑事である「僕」
 
「同じ時刻に離れた場所で二つの事件が起きたんですが、どちらの事件でも同じ人物が容疑者として浮かんだんです」
 
 今回依頼するのは、いわば「二律背反のアリバイ」です。
 
 事件は、前の月の11月5日に、那野市内の閑静な住宅街で発生。
 
 一軒家に住む35歳の主婦・中石沙都子(なかいし さとこ)が、家の中で刺殺されているのが発見され、
 彼女と別居している浮気者の夫に容疑がかかりました。
 
「僕」たち県警は捜査を進めますが、その後、被害者の葬儀会場に東京から警視庁捜査一課の刑事たちが訪れ――。

「時計屋探偵と二律背反のアリバイ」(短編集「時計屋探偵の冒険 アリバイ崩し承ります2」第4話)感想

騙されて嬉しい! あっぱれなアリバイトリック

 クリアなアリバイトリックが素晴らしい作品でした。

 

 2つの盲点をついているところがうまいんですよねー。

 さすが日本推理作家協会賞受賞作!

 

 特に、読者の思い込みを利用したメイン(といっていいのだろうか)のトリックには、

「そっか、あれって、そういえばそうだよねえ!」

 と、読みながら赤べこのようにうなずきました。

 

(いつも通りネタバレ防止にふんわりした書き方をしております)

 

 他のトリックも、細かいところまで凝っていて、読んでいてちょっとひっかかりを感じた部分もあったのに! 読み流してて、悔しい~。

 

 といいつつ、

 うまく騙されて嬉しい

 という気持ちも大いにあるんですよね…… 笑

トリックの実行方法がゲスすぎる! 笑

 ただし、このトリック、段取りがすごく難しいと思います。

 

 ていうか、具体的にやることを考えると、実行方法があまりにもゲスいですよね! このトリック 笑

 

 しかも実行には、ある意味特殊な技術というか能力が必要です。

 それも、そうそう身につけられないタイプのやつ。

 

 つまりこの犯人、ゲスい上に、たぐいまれな才能の持ち主です 笑

アリバイトリックだけでなく、安楽椅子探偵ものとしても完成度の高い作品

 アリバイトリックものとしてだけでなく、

 安楽椅子探偵ものとしても、きわめてレベルが高い上に、

 

  • 短くて
  • 時乃も「僕」もクセのない好感度高めキャラで
  • 文章も読みやすい

 

 と、いいことずくめのこの作品。

 

 ぜひ多くの方に読んでいただき、謎に挑戦していただきたいです。

 

(わが家でも、子どもたちに挑戦させて、親子で降参しました 笑)

 

 あと、できることなら、警察の方の感想を聞いてみたいです 笑

「時計屋探偵と二律背反のアリバイ」関連作品:連城三紀彦「夜の二乗」

 作者によると、この作品は、

 

  • プロットは鮎川哲也作品
  • 設定と解決は連城三紀彦の短編『夜の二乗』

 

 を意識して書かれたとのこと。

 

(2022年第75回日本推理作家協会賞短編部門「受賞の言葉」より)

 

 なお、連城三紀彦『夜の二乗』については、設定は同作に倣い、解決は同作とは異なるものにしたそうです。

 

 \『夜の二乗』収録の短編集/

「時計屋探偵と二律背反のアリバイ」作者・大山誠一郎と「アリバイ崩し承ります」シリーズ:シリーズ第3作も連載中!ドラマ化・マンガ化も

「時計屋探偵と二律背反のアリバイ」作者・大山誠一郎

 作者の大山誠一郎は、2004年に『アルファベット・パズラーズ』でデビュー

 

 2013年、『密室蒐集家』で第13回本格ミステリ大賞を受賞。

 

 学生時代は、あの京都大学推理小説研究会に所属し、「犯人当て」の名手として知られたそうです。

 

 京大ミス研といえばこの方 ↓

大山先生は、この『十角館の殺人』の島田荘司の解説を読んでミス研に入りたくなり、京大に進学したのだとか)

「アリバイ崩し承ります」シリーズとは/「Webジェイ・ノベル」でシリーズ第3作「アリバイ崩し承ります3」連載中!ドラマ化・マンガ化も

 本作『時計屋探偵と二律背反のアリバイ』の収録された、短編集『時計屋探偵の冒険 アリバイ崩し承ります2』は、「アリバイ崩し承ります」シリーズの第2作。

 

 現在出版されているシリーズ作品は、

  • 第1作『アリバイ崩し承ります』(2018年)
  • 第2作『時計屋探偵の冒険 アリバイ崩し承ります2』(2022年)

 の2つで、いずれも連作短編集です。

 

 第1作は「月刊ジェイ・ノベル」で、第2作は「Webジェイ・ノベル」で、それぞれ発表された短編に、書き下ろし作品を加えて出版されました。

 

 なお、2025年12月現在、「Webジェイ・ノベル」に、

『アリバイ崩し承ります3』として

 

  • 『時計屋探偵と新年のアリバイ』(2024.01.23)

 

  • 『時計屋探偵と毒入りチョコレートのアリバイ』(2025.03.04)

 

 の2つの短編が掲載されています。

 

(なんと無料で読めます。太っ腹!)

 

 \シリーズ第1作/

 

 \シリーズ第2作/

 

 また、本シリーズ作品は、2020年に浜辺美波さん主演でドラマ化

 

 sanorinによりコミカライズもされています。

 

 \マンガはこちら/

シリーズ第1作 短編集「アリバイ崩し承ります」:
全7話紹介

第1話「時計屋探偵とストーカーのアリバイ」あらすじ・感想(『月刊ジェイ・ノベル』2014年10月号)

 4月1日付けで交番勤務から那野(なの)県警本部捜査一課第二強行犯捜査第四係に異動し、鯉川(こいかわ)駅西口に引っ越してきた「僕」


 ようやく休みのとれた5月、最寄り駅の反対側にある商店街の時計屋に行くと、店内には

「電池交換承ります」

 などのよくある貼り紙と共に、

「アリバイ崩し承ります」

「アリバイ探し承ります」

 という謎の貼り紙が。


 アリバイ崩しは「時計にまつわるご依頼」だという、20代なかばの不思議な店長・美谷時乃(みたに ときの)

 難事件に悩んでいた「僕」は、5000円の成功報酬制だというアリバイ崩しを、思わず依頼してしまいます。


「僕」が依頼したのは、4月11日にひとり暮らしの医学部教授の刺殺死体が自宅で発見された事件。

「僕」の話を聞いて、いくつか質問をした時乃は――。

 

 アリバイトリックの着眼点と、偽装アイディアが面白い

 

 リアリティを求めると、刑事が初対面の部外者にそこまで話す? という疑問がわいてしまいますが 笑、そこはまあエンタメということで。

 

 時乃の安楽椅子探偵ぶりもかっこいいです。

 

 ただ、あまりに手の込んだトリックに、

 その目的で、そこまでする?

 という気持ちにもなりました 笑

第2話「時計屋探偵と凶器のアリバイ」あらすじ・感想(書き下ろし)

 前回からおよそ2か月、捜査に行き詰って、またしても美谷時計店に来てしまった「僕」

 小柄で色白
ボブヘアで、いつも時計修理用の作業着姿の、どことなく白兎を思わせる店主の時乃に、「僕」は新たなアリバイ崩しを依頼をします。

 6月17日午後3時、郵便物の集荷の際に、郵便ポストの中に捨てられていた拳銃が発見されます

 その後発覚した、その拳銃が用いられた殺人事件の容疑者には、堅固なアリバイがあって――。

 

 残酷! ひどい! 

 犯人、悪い!

 

(でも、すごくよく考えられたトリックです。犯人、頭いい

いや、頭いいのは作者

 

 ……と思いましたが、あれ?

 

 これ、被害者は意外と苦しまなかっただろうから、逆に残酷ではない、のか……? 

(こんらん)

第3話「時計屋探偵と死者のアリバイ」あらすじ・感想(『月刊ジェイ・ノベル』2015年10月号)

 8月上旬の夜8時。

 交通事故で重傷を負った男性が、居合わせた「僕」に殺人を自白したものの、アリバイトリックの説明をする前に救急車の中で死んでしまうという事件が。

 

 その夜7時20分に自宅で宅配便を受け取ったあと、8時に自宅近くの路上で車にひかれるまでの40分間で、男性はいかにして往復40分かかる被害者宅での殺人をおかしたのか?

 都合の悪いことに、彼はアリバイものが得意な推理作家で――。

 

 係長の牧村(まきむら)警部に、

「新人も歩けば犯人に当たるってわけか」

 と笑われる「僕」

 

 ちなみに、この主人公の「僕」、シリーズ通して「新人(職場で)」とか「お客様(時乃から)」としか呼ばれず、名前が明かされません

 

 牧村警部に

「しょせんは推理作家の考えたアリバイだ。どこかに必ず綻びがあるはずだ」

 ともいわせて、

 全力で読者を笑わせにくる、作者の大山先生 笑

 

 事故死した推理作家の奥山新一郎って名前からして、作者(大山誠一郎)に寄せてますよねー 笑笑

 

 時乃の推理は「そういうこともあるかも」と面白かったものの、

 犯人が犯行に及ぶ経緯には、「なにやってんだよ」と気が抜けました。

(でも、実際にはそういうケースが多いのかも)

 

「松尾警部」ものも気になるなー 笑

第4話「時計屋探偵と失われたアリバイ」あらすじ・感想(同2016年3月号)

「『アリバイ崩し承ります』という貼り紙の他にも、『アリバイ探し承ります』という貼り紙がありますよね。今回はそれをお願いしたいんですが」

「アリバイ探しは、祖父からもほとんど教えられていませんし、果たしてご期待に応えられるかどうかわかりませんが……」

 といいつつ、きっちり結果を出す優秀な時乃 笑

 今回は、10月17日の午前9時から正午までの間に、自宅兼仕事場で殺されたピアノ教師の事件。

 行きつけのマッサージ店からの情報によると、彼女はその日の午前10時から11時の間、店でマッサージを受けていました。

 一方、両親から相続した実家と土地を巡って、生前の被害者ともめていた妹は、自分はその日、夢遊病の発作を起こしたかもしれないといい――。

「僕」が危なっかしい独自調査をするお話。

 あくどいトリックだけど、個人差があるのに本番一発勝負で、そこまで期待通りに効果が出るものかなあ。

 あと、どうして犯人が被害者の死亡推定時刻をあそこまで正確に把握していたのかは謎。

第5話「時計屋探偵とお祖父さんのアリバイ」あらすじ・感想(同2017年2月号)

 時乃と、一昨年亡くなった先代店長である祖父との、面白くてかわいい思い出話
 
 12月、部屋の壁掛け時計が壊れた「僕」は、(時計屋本来の利用方法として 笑)美谷時計店で新しい壁掛け時計を買います。

 客のいない店内で、いつものようにおいしい緑茶を出してくれた時乃が、彼女が小学校4年生の6月に祖父から出されたアリバイ崩しの問題について話し始め――。
 
 単純なアリバイトリックですが、小学生向け(という設定)にもかかわらず、なかなか解けませんでした
(ぐぬぬ)
 
 でも、すっきりしたいい問題です!
 
 時乃は、幼稚園のときに両親を事故で亡くして、おじいさんに育てられたんですね。
(もっと長生きしてよおじいちゃーん 泣)
 
 時乃は隣のお肉屋さんのコロッケが大好物とか、反対隣の写真館のご主人と亡くなったおじいさんが将棋のライバルで、仲良しなのに顔を合わせるとやいやいいいあってるとか、下町っぽい雰囲気も楽しい作品です。

第6話「時計屋探偵と山荘のアリバイ」あらすじ・感想(2015年4月号)

「今日中にお願いしたい用件があって、お店が閉まったらいけないと思って、大急ぎで来ました」
 
  1月29日の夜7時前、美谷時計店に駆け込んだ「僕」は、1月27日から取っていた三連休中に他県で遭遇した事件のアリバイ崩しを依頼します。
 
 2日前、休暇で黒姫高原にあるペンションを訪れた「僕」は、ペンションから10メートルほどの場所にある「時計台」に、宿泊客のひとりが入っていくのを目撃します。

 翌朝、殺人事件が発覚。
 
 唯一アリバイのない少年の嫌疑を晴らすため、真犯人のアリバイ崩しを時乃に依頼する「僕」ですが――。
 
「僕」の短い説明で時乃が最初の謎を解くところに、ぐっときました。
 そこに着目するか~!
 
 あと、犯人、あの状況であそこまで冷静ってすごすぎる 笑
(有能~!)

第7話「時計屋探偵とダウンロードのアリバイ」あらすじ・感想(書き下ろし)

 3月末に美谷時計店を訪れた「僕」
 
 今回依頼するのは、前年12月6日に起きた元経営者殺人事件の容疑者のアリバイ崩し。

 犯人がみつからないまま2月末になり、土地建物を相続した遺族が荒れた庭を整備したところ、思わぬ状況が発生して捜査方針が変更した事件です。
 
 容疑者のアリバイの要となっているのは、事件のあったときに友人と一緒にいた彼が、限定配信された曲をダウンロードしたタイミングで――。
 
 この犯人も、頭いいなー!
頭いいのは作者
 
 アリバイトリックが、自然というかさりげないのが強いです。
 その分、小賢しいっていうか、うっとおしさがあるけども! 笑
 
 ただ、自然で緻密とはいえ、このトリック、
 その後友人に、本人にとって印象的なことが起きていたら、普通に無駄になったんじゃないかな
 と思いました 笑
 
 あの年頃って、普通の日でもなにかとドラマチックだから。
 
 たとえば事件の翌日、誰かに告白されてつき合い始めたとか 笑
 課題の提出が間に合わず涙を飲んだとか、バイトに遅刻して怒られたとか 笑笑
 
 
 アリバイ崩しから1週間後、事件解決の報告に美谷時計店を訪れた「僕」は、その日が時乃のおじいさんの命日と知り、お墓参りに向かう彼女に同行します。
 
 初めて見る作業着ではない姿の時乃を、とてもまぶしく感じる「僕」でした。

シリーズ第2作 短編集「時計屋探偵の冒険 アリバイ崩し承ります2」:
全5話紹介

第1話「時計屋探偵と沈める車のアリバイ」あらすじ・感想(『Webジェイ・ノベル』2019年10月配信)

「僕」が那野県警捜査一課に配属されて、2度目の5月。

 美谷時計店を訪れた「僕」は、守秘義務違反という後ろめたさを感じながら、今日もアリバイ崩しを依頼します。
 
 4月5日、元経営者の男性が、自分の高級車に乗ったままダムに落とされて死亡しているのが発見されます。

 死亡推定時刻は、前日の午後から夜にかけて。
 
 被害者の車が置かれていたガレージが映り込んだ防犯カメラがみつかり、事件のおおよその時刻が判明しますが、容疑者にはその時間にアリバイがあって――。
 
 前作『アリバイ崩し承ります』最終話のラストのあと
(=4月のはじめに時乃の店を訪れ、成り行きでおじいさんのお墓参りに同行し、その帰りにお茶を飲んだとき)
 彼女への想いを自覚した「僕」
 
 時乃から、
「捜査一課員なのにアリバイを崩すことができず、毎回五千円払ってアリバイ崩しを依頼してくださる、あまり賢くないお客様」
 って思われてるかも……。
 
 と、読者的に心底どうでもいいことでうじうじしている「僕」が、ウザ面白かったです 笑
 
 人が乗っている車を押してダム湖に突っ込ませるという、面倒くさそうというか腕力がいりそうというか、車に弱いわたしにはどうやったらできるのかわからない犯行のお話でした 笑
 
 あと、「インディクティオ」っていうイタリアの高級車があるんですね。
(豆知識)
 
 それにしても、注意深い上に、余計な頭が回る犯人だなあ。 
(でも、どうせなら、車ももらえる方法を考えればよかったのに 笑)

第2話「時計屋探偵と多すぎる証人のアリバイ」あらすじ・感想(同2019年12月配信)

 8月の昼下がり。
 いつものようにアリバイ崩しの依頼に訪れた「僕」に、水出し緑茶を出してくれる時乃。
 
 今回のアリバイは、パーティー会場にいた500人の証人が保証する強固なものです。
 
 7月21日の夜、政治家主催のパーティー会場から途中で抜け出した秘書が、翌朝河川敷で焼死体となって見つかって――。
 
 引火性が強いガソリンより、灯油の方が扱いやすいらしい。
(豆知識)
 
 大胆、かつ、物理的というより倫理的に大掛かりなアリバイトリックでした。
 
 作中出てきたあの口実は、苦しすぎないかな? 笑
 
 今後、時乃のアリバイ崩しの腕が容疑者に知られたら、アリバイ崩しを封じるために彼女がひどい目に遭わされるかも、と心配する「僕」が、情けなさすぎて意味不明でした 笑
 
(依頼をやめればすむ話では 笑)

第3話「時計屋探偵と一族のアリバイ」あらすじ・感想(同2020年6月配信)

 秋らしい晴天の下、
「今回の依頼は、いつもより三倍、面倒かもしれません」
 といいだす「僕」
 
 容疑者が3人いるから料金も3倍にと「僕」にいわれても、事件は1つだからいつもの料金でいいとこたえる、その計算はおかしいと全わたしがいいたい良心的な時乃 笑
 
 9月16日の日曜日、商社を退職して株で生計を立てていた男性が自宅で刺殺される事件が起こりました。
 
 遺産を相続する3人の甥・姪には、いずれも犯行時のアリバイがあり――。
 
 まさかの、2段階アリバイ崩しの回です。
 
(ネタバレ回避にふわっとした表現にしております)
 
 とても技巧的なアリバイトリックで、途中から頭がぐるぐるしました 笑
 
 時乃から梅干しと昆布の手作りおにぎりをもらって、お礼に今度、晩御飯を、と誘えた「僕」
 果たして進展は。

第4話「時計屋探偵と二律背反(にりつはいはん)のアリバイ」(同2021年10月配信)
⇒前項でご紹介しました

 ちなみに、

 前話(第3話)で「僕」が誘った時乃との晩御飯は、当日に事件が発生して延期に。

 

 警察では、捜査初日は遅くまで働くそうです。

(豆知識)

 

 デート当日に事件発生の報を受け、トイレに行くふりで県警の大部屋から抜け出し、予約していたフレンチレストランにキャンセルの電話をする「僕」がかわいそう 笑

 

 そんなこんなを経て、この第4話のラストで改めて時乃をディナーに誘いながら、

 

 アリバイ崩しの依頼と同じぐらい楽しみにしてくれていればよいのだが――。

 

 とか思う、気弱な「僕」

 

 なかなかおもろいな、君! 笑

(ネガティブすぎる「僕」の姿が、一周回ってわたしの琴線に 笑笑)

第5話「時計屋探偵と夏休みのアリバイ」あらすじ・感想(書き下ろし)

 祝・「僕」と時乃ちゃん、ロシア料理店でディナー!
 
 というわけで、今回は、
 めでたくデートにこぎつけた「僕」が食事中に聞いた、時乃が初めて挑んだ現実の事件でのアリバイ崩しのお話です。
 
 それは、高2の夏休みの部活中に、校内で起きた事件でした。

 茶道部だった時乃は、美術部員が作っていた石膏像が何者かによって破壊されたことを知り――。
 
 アリバイトリックは、スレたミステリーファンなら気づきそうな内容。
 
 石膏像の作り方茶道部の活動内容が面白かったです。
 
 このシリーズ、時乃が淹れてくれる緑茶が美味しいというエピソードがこれまで何度も出てきて、お茶の淹れ方は亡くなったおじいさん仕込みとされていましたが、茶道部経験もいかされているのでしょうねー。

「時計屋探偵と二律背反のアリバイ」(短編集「時計屋探偵の冒険 アリバイ崩し承ります2」第4話)
こんな方におすすめ

  • なんといっても、アリバイトリックが好きな方!

 

  • 次点で、安楽椅子探偵ものが好きな方

 

  • 本格ミステリー好きさん

 

  • 上質な/さくっと読める短編ミステリーを読みたい方(どの話から読んでもOKなシンプル設計です!)

 

  • ドラマのファン/浜辺美波さんをはじめとするドラマの出演俳優のファンマンガのファン

 

 

 \短編ミステリーに興味のある方はこちらも/

 

 

 

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 みなさま、どうぞ楽しい物語体験を ♪

 

 

 

☆この記事では以下のサイトを参考にしました。

 

○日本推理作家協会ホームページ

2022年 第75回日本推理作家協会賞 短編部門 

受賞作『時計屋探偵と二律背反のアリバイ』大山誠一郎「受賞の言葉」

 

○「本の話 読者と作家を結ぶリボンのようなウェブメディア」(株式会社文藝春秋)

2015.11.9 「京大ミステリ研の先輩・後輩が語る、学生時代の思い出と創作の裏側 前編」

 

○「Webジェイ・ノベル」(実業之日本社)

 

 

 

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