今回は、
「ミステリーって、途中で飽きちゃう」
「名前が覚えきれなくて、あんまり得意じゃないかも」
という方にもおすすめの、
「ミステリーっぽくないライトミステリー3選」
をご紹介します。
ミステリーって、複雑な話が多いですよね。
仕事や学校や、あれやこれやで、毎日もう十分がんばってる。
趣味の読書にまで、頭を使いたくない!
っていうのは、みんな同じはず。
(正直、わたしもです)
なのになぜか、
小説だけじゃなく、マンガやドラマでも人気ジャンルなんですよね、ミステリー 笑
(われながら、どうして好きなのか謎です 笑)
人気作品のお知らせや、盛り上がっている人たちを目にして、
ふと、
「なんか面白そうだな」
「みんなが楽しんでる面白さを、ちょっと味わってみたいな」
と思ったことはありませんか?
この記事では、
そんなあなたに楽しんでいただけそうな、気軽に読める短編集をセレクトしてみました。
なお、
3作とも「安楽椅子探偵(あんらくいすたんてい)もの」
になったのは偶然です 笑
(「安楽椅子探偵」とは、
他人から事件の話を聞いただけで謎を解いてしまう名探偵✨
のこと。
ただし、職業は探偵とは限りません)
読むとおなかがすくライトミステリー:「ミミズクとオリーブ」芦原すなお
主人公は、東京の「八王子の町からバスでニ十分ほど山の方に入った所」で、妻とふたり暮らしをしている「ぼく」
45歳の作家です。
住まいは古い一軒家で、庭には夫婦の出身地・香川から持ってきたオリーブの木が。
そこにミミズクが遊びにくる(!)のを、妻が餌付けしているのです。
(野生のミミズク、珍しいですよねー!)
物語の舞台は、はっきり書かれてはいませんが、バブルがはじけたあとの90年代なかばのよう。
つまり30年ほど昔の話なのですが、それにしたって、主人公夫婦の生活は(当時としても)かなり古風です。
小説を書くだけで、家事は妻に丸投げの「ぼく」
一方、かっぽう着姿の妻は、家事全般の他、和服の洗い張りや仕立てまでこなします。夫が夕飯どきに急に友だちを連れて帰ってきても、文句もいわず余裕でおもてなし。
(90年代なかばといえば、わたしは都内に住む大学生でしたが、こんな40代夫婦見たことないって…… 笑)
そんな、古い邦画に出てくる仲のいい夫婦みたいなふたりの生活に、
読みながらほっこりしたり、ファンタジー……と遠い目になったり 笑
そして、妻が作る讃岐の郷土料理が、どれも美味しそう!
とはいえ、「ぼく」と客が一通り飲み終わるまで妻は料理を運ぶばかりで、読んでいて落ち着かない気分に 笑
料理はできなくても、せめて一緒に「いただきます」しようよ、「ぼく」
ところで、この「ぼく」と妻、どちらも最後まで名前が出てきません。
なのに、それがまったく不自然じゃないのは、さすが直木賞作家!
話をミステリーに戻しますと、本作の探偵役は妻。
主人公の友人の、サラリーマンや警察官の話を聞いて、謎を解きます。
1996年に単行本で出版、その後文庫化された作品。
今年の1月に、シリーズ全3作を改題・新装して新たな文庫本になりました。
死体の出ない助産師お仕事ミステリー:「赤ちゃんをさがせ」青井夏海
主人公は、助産婦(今なら助産師)見習いの陽奈(ひな)
未熟でお金もないけど、助産婦という仕事に誇りを持つ陽奈が、「自宅出産専門の出張助産婦」聡子(さとこ)さんのもとで働きながら、現場で出会った謎を追います。
探偵役は、その聡子さんの師匠、つまり陽奈からみれば師匠の師匠にあたる、
「伝説のカリスマ助産婦」明楽(あきら)先生・推定70代。
この明楽さんが、スーパー助産師なのにすっごく肩の力が抜けていて、かっこいいんですよねー。
主人公の陽奈は、明楽先生の孫弟子という立場になります。
収録作品は、
『お母さんをさがせ』
『お父さんをさがせ』
『赤ちゃんをさがせ』
の3つの中編。
第1話『お母さんをさがせ』では、主人公たちは某企業の経営者から、立派なお屋敷で暮らす3人の妊婦(揃って妊娠9か月)の出産を依頼されます。
3人のうち、男の子を生んだ人が「家内のサツキ」になる、
というとんでもない計画を聞かされた主人公たちは、明楽先生に相談を――。
出産経験のある女性なら「わかるわかるー」なエピソード満載の、明るいお仕事小説です。
続編あり。
2003年にNHKでドラマ化されています。
ライトな本屋大賞受賞作「謎解きはディナーのあとで」東川篤哉:映像化やコミカライズに、2025年4月アニメ化も
とってもライトな読み心地の本屋大賞受賞作
「ミステリーっぽくない」と紹介したくせに、タイトルは謎解き、主人公は刑事? 話が違う!
とお思いの方もいらっしゃるかもしれませんが、ご安心を。
本作は、刑事が主人公とはいえ、キャラクターが濃くて話もどんどん進む、とってもライトな読み心地のお話なのです。
なにせ、
探偵役は毒舌執事・影山(かげやま)
執事といえば、お屋敷の中で紅茶淹れたりしている静かなイメージですが(偏見ですね 笑)、彼は非常にアクティブです。
そして
主人公は、彼が仕えるお嬢様。
警視庁国立(くにたち)署勤務の新米刑事・宝生麗子(ほうしょう れいこ)です。
世界的に有名な「宝生グループ」令嬢の麗子が、執事の影山にかしずかれながら仕事の話をする。
↓
影山が暴言を吐きながらさくっと事件の真相を解明 笑
というのがパターン。
読みやすく、しかも一話ずつ短い時間で読みきれるので、普段はあまり小説を読まない方にもおすすめ。
2011年に第8回本屋大賞を受賞しており、続編もあります。
ドラマ化・映画化・マンガ化・舞台化、アニメもスタート
この作品は、嵐の櫻井翔君と俳優の北川景子ちゃんのコンビでドラマ化・映画化され、
その他にコミカライズや舞台化もされています。(すごいなあ)
活字より映像派という方にもおすすめですよー。
さらに、
2025年4月4日(金)から、フジテレビ系でアニメの放送も決定!
(毎週金曜日23時30分~ノイタミナにて)
翌5日(土)からは、Prime Videoで配信も。
楽しみですね。
今回ご紹介した3作とも、気軽に読める肩のこらない短編集です。
ジャンルはばらばら。
気になる作品がありましたら、ぜひおためしを。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
みなさま、楽しい物語体験を ♪
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