小説「アルセーヌ・ルパン」シリーズ読む順番とおすすめ出版社

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 前回記事に続き、小説「アルセーヌ・ルパン」シリーズを読む順番と、おすすめの出版社について紹介します。

 

 \ルパンシリーズ前回記事はこちら/

 
      \読みたい項目へGo ♪/
■目次■

最初に結論:「偕成社全集を順に」読んでから、ハヤカワ文庫『最後の恋』を

 ■結論■

 

 偕成社の「アルセーヌ=ルパン全集」を順に読んだあと

   ↓

 ハヤカワ・ミステリ文庫『ルパン、最後の恋』を読む

 

 のがおすすめ。

 

 もう少し説明すると、

 

  • 次の項目でご紹介する偕成社全集の、第1巻『怪盗紳士ルパン』から第25巻『ルパン最後の事件』まで(*注)を順に読み、

 

  • 読み終わったら、ハヤカワ・ミステリ文庫『ルパン、最後の恋』を読む

 

 というのが、2025年6月現在、もっとも読みやすい方法だと思います。

 

(*注 ただし、第25巻『ルパン最後の事件』は、邦訳が偕成社全集にしかなく、また現在、在庫・電子書籍ともありません。そのため、第24巻のあと『ルパン、最後の恋』に移るというのが現実的なところかもしれません)

 

 \第1~25巻の他、別巻もある全集/

 

 \全集第1巻を紙の新品で読むならこちら/

 

 \全集第25巻/

(現在在庫なし、電子書籍なし)

 

 \ハヤカワ文庫『ルパン、最後の恋』/

(文庫とは別に、新書もあります)

「ルパン」シリーズを読む順番について

「ルパン」シリーズ読む順番=出版順

「ルパン」シリーズは、作中でしばしば、過去作への言及があります。

 そのため、ネタバレ回避に、作品が出版された順に読むことをおすすめします。

「ルパン」シリーズ出版順(と、それ以外のあれこれ)がよくわかる、超おすすめサイト

 前回記事でご紹介したハヤカワ・ミステリ文庫『怪盗紳士ルパン』の巻末には、2014年7月現在の「ルパン」シリーズ発表順作品リストがあります。

 2012年に発表された『ルパン、最後の恋』を含む、シリーズ邦題・原題と発表年が一覧となった、大変便利なリストです。

 

 ですが、

 

 実は、さらにわかりやすく便利なサイトがあります。

 

 それが、

 

 徹夜城さまのサイト

「徹夜城の多趣味の城」

(ほんっとうに、たくさんの趣味をお持ちです)

 

 の中にある、

 
「忍者屋敷:怪盗ルパンの館」

 

 特に、トップページにリンクのある

 

「??どれを読んだらいいの?ルパンシリーズ読書入門編??」

 

 がおすすめです。

 

 ひとつひとつの作品について丁寧に説明されている上、たくさんの邦訳作品を比較できるようになってるんですよ~。

 

 徹夜城さま、ありがとうございます!

「ルパン」シリーズおすすめ出版社について:最新作の邦訳3社と、偕成社全集とハヤカワ文庫の内容・文体について

作品数なら「偕成社全集」

「ルパン」作品が、現時点でもっとも揃っているのが、偕成社の「アルセーヌ=ルパン全集」です

(同じ内容が同社から文庫化されていますが、まだすべての作品はカバーしていません)

 

 この全集、出されたのが80年代と古いことと、対象年齢が「中学生から」とされているのが気になるところ。

 

 ですが、後述の通り訳文はそれほど古くありませんし、子どもの本を専門とする出版社の本とはいえ、大人が読んでも楽しめる作品になっています。

 

 というわけで、シリーズほぼ全作品が読めるという圧倒的な強みを持つこの全集をまずはおすすめします。

 

(※第25巻『ルパン最後の事件』のみ、現在、在庫も電子書籍もありません。また、邦訳はこの偕成社全集のみです)

 

 ただし……

「偕成社全集」未収録作品『最後の恋』(2012年発表):邦訳3社の比較

邦訳3社:大人向けは2社だが、新品を入手できるのは1社

 先ほど「ほぼ全作品」と書いた通り、

 偕成社全集には、2012年に発表された「ルパン」シリーズ最終作『ルパン、最後の恋』(*)が収録されていません

 

(*『ルパン最後の恋』『リュパン、最後の恋』という表記もあります)

 

 現在、同作の邦訳は3社から出されていますが、そのうち大人向け作品は、ハヤカワ・ミステリ文庫(新書も)と、創元推理文庫のみ

 

児童向けには、ポプラ社『ルパン最後の恋』があります)

 

 そして、創元推理文庫は現時点では在庫がなく、電子書籍もないので、中古品しか入手できません。

 

(紙の本は在庫切れ、電子書籍なし)

 

 以上の理由から、「偕成社全集」に収録されていない『ルパン、最後の恋』については、ハヤカワ・ミステリ文庫の作品をおすすめします。

 

(同じ平岡敦訳のハヤカワ新書もあります。

このブログでは、同時収録の短編が偕成社全集とかぶらない文庫の方をおすすめしますが、お好みでどうぞ)

「偕成社全集」からハヤカワ『最後の恋』、続けて読める?

偕成社全集とハヤカワ・ミステリ文庫、文体について

 これまで、

  • 「ルパン」シリーズの『ルパン、最後の恋』以外の作品は偕成社全集で読み、
  • そのあと、ハヤカワ・ミステリ文庫『ルパン、最後の恋』を読む

 という方法をおすすめしてきました。

 

 とはいえ、率直なところ、

 子ども向けで古い偕成社全集と、大人向けで新しいハヤカワ文庫、続けて読んだら変な感じにならん?

 という疑問を感じませんか? 笑

 

 わたしは感じました! 笑

 

 というわけで、前回記事でご紹介した『怪盗紳士ルパン』の第6話『ハートの7』冒頭で、両社の作品の文体を比べてみました。

偕成社「アルセーヌ=ルパン全集」第1巻『怪盗紳士ルパン』

 

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【引用】(ふりがなは省略しました)

 

 あることがいつも問題になる。そしてぼくは、よくそのことについてたずねられた。

 

<ぼくはどのようにしてアルセーヌ=ルパンと知りあったのか?>

 

 現在、ぼくがルパンと知り合いであることを疑う人はだれもいない。たしかにぼくは、いつも彼といっしょにいるわけではない。そんなことはルパンの生きかたそのものからして不可能だ。しかし少なくとも、ぼくが彼と親しいあいだがらにあり、いつも彼からうちあけ話をきいている、ということは事実なのだ。そのことは、ぼくがこのとほうもない人物について、さまざまの詳細なデータを収集しているということ、ことあるごとに新しい情報を提出していること、表面しかわからない事件についても、その裏に隠された真の理由やトリックについて説明や解釈をほどこしていること、などからしてもじゅうぶんに納得してもらえるだろう。

 

(引用終わり)

 

⇒前述の通り、偕成社は子どもの本を専門とする出版社

 このルパン全集も、対象年齢を「中学生から」としていて、文章はわかりやすくかみ砕いた表現になっており、漢字のふりがなも多いです。

ハヤカワ・ミステリ文庫『怪盗紳士ルパン』

 

【引用】

 

 誰もが疑問に思っているらしく、わたし自身もよく質問を受けた。

 

《どのようにして、アルセーヌ・ルパンと知り合ったのか?》と。

 

 わたしとルパンが知り合いであることには、疑いの余地はない。びっくりするようなことばかりしでかすあの男について、わたしは多くの事柄を集め、否定しがたい事実を発表し、新たな証拠を明らかにしている。また彼の行動について、わたしなりの説明も行なっている。みんなそれを外から眺めるばかりで、秘められた動機や目に見えないからくりについては、知られていないからだ。もちろんルパンはああいう暮らしぶりなので、親しく行き来するのは無理というものだが、少なくともわたしたちは友人で、打ち明け話もする仲だと言っていいだろう。

 

(引用終わり)

 

⇒ハヤカワ・ミステリ文庫の新訳は、特に子ども向けとされてはいません。

 とはいえ、難しい表現もないので、こちらも中学生以上なら無理なく読めそうです。

文体を比べた感想

 偕成社全集の方がわかりやすい表現ですが、幼すぎるというほどではなく、大人が読んでも楽しめると思いました。

 

 これなら、偕成社全集を読んだあとでハヤカワ文庫に移っても、さして違和感は感じないのではないでしょうか

偕成社全集とハヤカワ・ミステリ文庫、内容について

 作品の内容についても、両社の作品を続けて読んでも問題なさそうだと思いました。

 

 たとえば、『怪盗紳士ルパン』に収録されたある作品では、登場人物が不倫を暴露されると脅される事件が出てきます。

 

 子ども向け作品との違いが目立つシーンかと思いますが、元々間接的な表現になっているせいか、偕成社全集とハヤカワ文庫の違いはほとんどありませんでした。

補足 ハヤカワ・ミステリ文庫は6冊だけ

 ここまでくると、

「そもそも、ハヤカワ文庫の新訳でシリーズ全作が読めたら話が早いのでは?」

 という気持ちになりませんか? 笑

(わたしはなりました 笑)

 

 でも、ハヤカワ・ミステリ文庫「ルパン」シリーズは現在6冊だけ。

 第1作『怪盗紳士ルパン』のあとは、こちら ↓ の5冊しか出ていないんですよね。

 

(原作発表順)

 

 

 

(電子書籍のみ)

 

(2004年制作フランス映画「ルパン」の原作)

 

結論 「ルパン」シリーズ出版社について

偕成社とハヤカワがおすすめ

偕成社「アルセーヌ=ルパン全集」第1巻~第25巻(*)

 +

ハヤカワ・ミステリ文庫『ルパン、最後の恋』

 

 をおすすめします

 

(*ただし、第25巻『ルパン最後の事件』の邦訳は偕成社全集にしかなく、在庫・電子書籍とも現在ありません)

補足 電子書籍とオーディブル

  • 偕成社の「アルセーヌ=ルパン全集」には、在庫のない作品がありますが、第24巻まではすべて電子書籍対応しています。

 (新品の紙の本で読むには、同タイトルの偕成社文庫か、他社の作品を入手する必要があります)

 

  • ハヤカワ文庫『ルパン、最後の恋』は在庫あり、電子書籍にも対応しています。

 

 したがって、

 電子書籍なら、(偕成社全集第25巻『ルパン最後の事件』を除き)「ルパン」シリーズほぼ全作品を、さくっと読むことができます

 

(※『ルパン最後の事件』の邦訳は偕成社全集にしかなく、在庫・電子書籍ともなし)

 

 また、電子書籍の場合、本棚に複数の出版社のルパン本が混在するのを避けられるという利点もあります。

 

 なお、ここで、

「それならオーディブルでもいいのでは?」

 と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが 笑、偕成社「アルセーヌ=ルパン全集」もハヤカワ文庫『ルパン、最後の恋』も、オーディブルは出ていません

「ルパン」シリーズ読む順番とおすすめ出版社・まとめ

 

 というわけでまとめると、現時点では、

 偕成社の「アルセーヌ=ルパン全集」を順に読んだあとで、

 ハヤカワ・ミステリ文庫『ルパン、最後の恋』を読むことをおすすめします。

 

 とはいえ、手に入りにくかったり揃えにくかったりする他の作品にも、それぞれの良さがあると思います。

 

 余裕があれば、前述の徹夜城さまのサイトなどを参考に、いろいろな作品を手に取ってみて、ご自分の推し作品をみつけるのも楽しいかと。

 

 

 

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 みなさま、どうぞ楽しい物語体験を♪

 

 

 

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