「マスカレード・イブ」東野圭吾:マスカレードシリーズ第2作・前作「ホテル」を読んでから!尚美と新田の前日譚

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 前作『マスカレード・ホテル』の主人公、ホテル・コルテシア東京のフロントクラーク山岸尚美(やまぎしなおみ)と、警視庁捜査一課警部補の新田浩介(にったこうすけ)

 前作の数年前、仕事への情熱はあるが、未熟でとがっていた頃のふたりを描いた、2014年出版の短編集です

『小説すばる』2013年~2014年掲載の第1話~第3話と、文庫書き下ろしの最終話を収録。

ネタバレ防止のため、前作を読んだあとで読まれることをおすすめします。
 
 
\前作の記事はこちら/

 
■目次■
 

マスカレード・イブアイキャッチ

短編集「マスカレード・イブ」各話あらすじ・感想

第1話「それぞれの仮面」あらすじ・感想

 山岸尚美は、ホテル・コルテシア東京で勤務5年目のフロントクラーク。

 念願のフロントオフィスに配属されたばかりの尚美は、ある日、海外出張に向かう大学時代の先輩男性・宮原(みやはら)のチェックインを担当する。

 久しぶりの再会だったが、浮かれず先輩フロントクラークの久我(くが)に認められる仕事ぶりを発揮した尚美。

 だが、勤務時間のあと、宮原から「きみの助けがほしい」と電話があり――。 

 

 前作『マスカレード・ホテル』では、冷静沈着な頼れるホテルウーマンとしてフロントの仕事をこなしていた尚美の、

 秘めた情熱がまだ抑えきれていない時代のお話 笑

 

 ホテルならではの事件とトリックが面白い、小気味いい短編です。

 

 昔から、「助けて」っていわれると断れない性格だったんだなあ、尚美 笑

第2話「ルーキー登場」あらすじ・感想

 捜査一課に配属されたばかりの新田浩介は、ホワイトデーのデートで東京湾に面したホテルに泊まったものの、翌朝早く実業家の刺殺事件に呼び出される。
 現場に駆けつけようとするものの、「本物のスッピン」は見せたくないからメイクに時間がかかるという彼女(とらじ注:すっぴん風ナチュラルメイクの話だと思います 笑)にバスルームを占拠され、彼女を部屋に置き去りにする新田 笑
 先輩刑事・本宮と捜査する中、新田のアイディアで捜査が進展するが――。
 

 前作『マスカレード・ホテル』にあった、新田が5年ほど前にシティホテルに泊まったエピソードが出てきます。

(つまり、前作の5年前のお話ということですね) 

 

 殺された経営者の自宅の高級インテリア情報がかっこよくて、不謹慎ながらわくわくしました 笑

 

 お金持ちのおぼっちゃんだったんだな、新田 

第3話「仮面と覆面」あらすじ・感想

 第1話から月日がたち、フロントオフィス・マネージャーとなった久我のもとで働くフロントクラーク尚美。
 不審な男性客5人組から、宿泊予定の「タチバナサクラ」の部屋を教えてほしいといわれた尚美は、覆面作家・タチバナサクラの秘密を熱狂的なファンから守ることとなり――。
 
 ストーカーと化したファンが怖い!
 
 意外な展開で面白かったのですが、実際に小説家の見た目が作品人気を左右するという現実を思い出して、ちょっと複雑な気持ちになりました。
 
 客の話をするときは常に丁寧な言葉づかいの尚美が、内心では辛辣だったのが衝撃 笑

第4話「マスカレード・イブ」あらすじ・感想

 ホテル・コルテシア大阪がオープンして1か月弱、コルテシア東京から派遣された尚美は、応援と若手フロントクラークの教育で忙しく働いていた。
 そんなある日、薔薇の香水が印象的な女性客に出会う。
 
 警視庁捜査一課の新田は、大学教授の刺殺事件の捜査を行っていた。
 容疑者のアリバイを調べるため、ペアを組む巡査・穂積理沙(ほづみりさ)をホテル・コルテシア大阪に派遣することになり――。
 
 新田の鼻持ちならないところが、存分に描かれた一作 笑
 
 犯行計画がうまくいきすぎだろという印象はありますが 笑、関係者のキャラが濃いので、そういうこともあるかも、と、つい思わされます。
 
 尚美が「ホテルマンのルールを守りながら、いかに捜査に協力するか」、そして、穂積巡査が「それをいかに活かすか」が見どころです。
 
 穂積巡査、勘と機転と度胸がすごい 笑
 見た目やノリと、女性で所轄(しかも刑事課以外)の警官ということで、新田にぞんざいに扱われているのを、気にせず元気に働いている……ようでいて、
 ちゃんと傷ついてるし、しれっと仕返し的なこともしてるんですよね、穂積 笑
 
 ラストまで気が抜けない、読み終わると前作を読み返したくなる一作です。

短編集「マスカレード・イブ」こんな方におすすめ

前作『マスカレード・ホテル』を読んだ方

さくっと読める短編ミステリーをお探しの方

 

前作『マスカレード・ホテル』をこれから読もうかな、という方は、ネタバレ防止のため、先にそちらを読んでからこの短編集『マスカレード・イブ』を読んでくださいね!

シリーズ次回予告

「マスカレード」シリーズ次回は、第3作・長編『マスカレード・ナイト』を紹介します。
 またおつきあいいただけたら嬉しいです。
 

 \次回記事はこちら/

 

 \単行本派はこちら/

 

 \文庫はこちら/

 

 

 

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 みなさま、どうぞ楽しい物語体験を ♪

 

 

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