「WIN(ウィン)」ハーラン・コーベン ~「マイロン・ボライター」の最凶バディ、ダークヒーロー・ウィン降臨!~【追記あり】

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「FBIがスーツケースのほんとうの意味に気づいたら――」

「そう、私たちはふたりとも容疑者になる」
 
 超高級マンション最上階で発見された謎の死体と、盗まれた名画。
 よみがえる過去のふたつの事件と、消えた犯人たち。

 血に飢えた狂犬? 最高のボディーガード?
 令和の「敵に回したくないダークヒーロー」No.1!
 ウィンこと、
 ウィンザー・ホーン・ロックウッド三世降臨。

 2021年発表、2022邦訳刊行。
 2023年日本推理作家協会賞翻訳部門ノミネート作品。
 

 

 ――さまざまな理由があって、ウィンはいまのウィンになった。

 

 ――ウィンの人生は、本人にすれば、自分をいかに守るかを学ぶ、ひとつづきの長いレッスンだった。


(「マイロン・ボライター」シリーズ第3作『カムバック・ヒーロー』p315)


 ――ウィンが気にかける相手はごく少人数に限られているが、そのような彼らのためになら、ウィンはなんでもやる。自分と彼ら以外の世界は、ウィンにとって意味を持たない。

 

(同第2作『偽りの目撃者』p364)

 
 人気ミステリー「マイロン・ボライター」シリーズでこう語られているのは、
 主人公マイロンの親友、
 ウィンザー・ホーン・ロックウッド三世
 
 今回ご紹介するのは、
 そんなウィンが主人公のシリーズ番外編です。
 
 とはいえ、
 シリーズ未読でも問題なし
 
 ミステリー好きなら
 読んで損はない傑作です!
 
 長くなったので、下の目次をタップ(クリック)して、読みたい項目へ飛んでください。
 
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■目次■
 

WINアイキャッチ

『WIN』の前日譚「マイロン・ボライター」シリーズと、作者ハーラン・コーベン:Netflixでドラマ化も

「マイロン・ボライター」シリーズとは

 今回ご紹介する『WIN』の前日譚である、「マイロン・ボライター」シリーズとは、

 2026年3月現在12作発表されているアメリカの人気ミステリーです。

(邦訳出版は第7作まで)

 

 主人公のマイロンは、元プロバスケットボール選手のスポーツ・エージェント

 いつも軽口を叩いているイケメン独身男性ですが、実は繊細な理想家。

 大ケガでNBA入り直後に選手を引退したあと、ロースクールで弁護士資格を取った努力家でもあり、ユダヤ系の両親とは30代前半になっても同居しているほど仲良しですが、マイロンという変わった名前をつけられたことはいまだに恨んでいます 笑

 

 そんなマイロンの同級生で、デューク大学でルームメイトになって以来の親友が、

 本作『WIN』の主人公である、

 ウィンこと、

 ウィンザー・ホーン・ロックウッド三世

 

 ニューヨークの一族が所有するビルで家業の証券会社を営み、

 大学卒業直後にはマイロンと共に短期間だけFBIで働いた経験もあるという、

 大富豪一族の御曹司です。

 

 顧客のプロスポーツ選手を取り巻く業界の闇や、自身の過去のしがらみから、事件に巻き込まれるマイロンを、

  • 武道や格闘技で鍛えた身体
  • 射撃の腕
  • 一族の財力権力

 そしてなにより、

  • 暴力をためらわない精神 笑 

 を駆使して(わろてるばあいか)、

 ウィンが強力にバックアップ。

 

 軽妙な会話業界ネタ、さらに、

 さまざまな種類の愛と恋と友情と欲望が詰まった、軽快なタッチのハードボイルドシリーズです。

【追記】24年ぶりに新たな翻訳作品刊行予定!

 2026年4月6日、なんと24年ぶりに、本シリーズの新たな邦訳作品が出版されます!

 

 ただし、

 2002年刊行の第7作『ウイニング・ラン』(原題『Darkest Fear』2000年発表)に続く

  • 第8作(原題『Promise Me』2006年発表)

 ではなく

  • 最新/第12作(原題『Think Twice』2024年発表)

 の翻訳です。

 

作者ハーラン・コーベン:ドラマ化作品も人気のベストセラー作家

 作者のハーラン・コーベンは、アメリカのニュージャージー生まれのユダヤ系作家。

 1990年に『Play Dead』(邦訳なし)でデビュー。

 近年はNetflix(ネットフリックス)で自分の作品のドラマ化にも携わっている、ヒットメーカーです。

 

 長年ファンから映像化が期待されている人気ミステリー「マイロン・ボライター」シリーズ関連では、

 マイロンの甥を主人公とする続編「ミッキー・ボライター」シリーズ第1作『Shelter』がドラマ化されて、Amazonプライムで配信中。

(タイトルは「シェルター」

 

 本編の方もNetflixでドラマ化されるという情報があり、ファンの期待が高まっています。

 

(「マイロン・ボライター」シリーズについてこの記事の後半でまとめましたので、興味のある方はそちらもぜひご覧ください)

「WIN」あらすじ

 冒頭、インディアナポリスで行われている大学バスケットボール選手権の決勝戦をコート脇で観戦中の、ウィンことウィンザー・ホーン・ロックウッド三世
 
 40代後半の彼は、大富豪一族の御曹司。
 容姿端麗で、財務コンサルタントとしてもその名を轟かせ、結婚経験はなくニューヨークの有名なアパートメントでひとり暮らし。

 優男風の見た目に反して、
 
 ――闘うのは最後の手段ではない。いつであれ、闘えるときは闘う。トラブルを避ける気はない。むしろ積極的に探している。(p59)
 
 というほど暴力を好む、何種類もの武道・格闘技の達人でもあります。
 
 試合後、ある種の「駆除」を手際よく行ったあと、なに食わぬ顔でパーティーに直行し、朝まで騒ぐウィン。
 そのままシャワー付きプライベートジェットでニューヨークに戻るとリムジンに乗り換え、ミッドタウンの一等地にある一族のビルに出勤します。
 
 社長を務める<ロック・ホーン証券>オフィスに向かう途中、4階に立ち寄るウィン。
 昔は親友のマイロンに貸していたそのオフィスは、今は<フィッシャー&フリードマン>という法律事務所になっていました。

 30歳の弁護士セイディ・フィッシャーは、虐待や暴力の被害者のために働いており、ウィンは彼女の事務所に出資もしています。
 
 そこへ、FBIの特別捜査官が現れました。
 彼らの車に乗せられたウィンは、とある由緒ある建物で、思わぬものを見せられることに。
 
 殺人事件と、盗まれた名画。
 一族の紋章とイニシャルの入ったスーツケースと、過去の事件。
 
 ヘリコプターでフィラデルフィアにある実家の<ロックウッド屋敷>に向かい、久しぶりにいとこのパトリシアと会うウィン。
 
 その後、ある人物から、1970年代に起きた火炎瓶による襲撃事件の犯人探しを依頼され――。

「WIN」感想

ダークヒーローのプライベート大公開! スピーディーな展開の謎解き&ノワールと、ラグジュアリーな独身アラフィフNYライフ

 チートなダークヒーロー・ウィンの一人称で書かれたこの作品。(*)

 

 シリーズ本編主人公のマイロンから、しばしば「論理的がすぎる」と怯えられていたウィンらしく 笑、

 語り口はときに冷淡に感じるほど端的で、話の展開はとってもスピーディー

 

  • 遠距離移動となれば、迷わずヘリ

 (またはプライベートジェット

 

  • 相手が矯正不可能な悪者とみるや、迷わずぶちのめす

 

 さらに、

 超富裕層向けの秘密のマッチングアプリを駆使して、

 

  • スケジュールの合間を縫って、愛情を伴わないワンナイト

 (純粋に、行為そのものが好き)

 

 冒頭のインディアナや、自宅と職場のあるマンハッタンをはじめ、一族の屋敷のあるフィラデルフィアに、関係者たちのいるニュージャージーセント・ルイスなど、短期間にあちこちを目まぐるしく駆け巡るウィン。

 

 社員が残業していてもさくっと美食やセックスを楽しむ一方、必要なら(加齢をぼやきながら)寝ずに活動するウィン。

 

 チートでちょっと人の心が足りない仕事人・ウィンの、振り切った生活ぶりが、読んでいて非常に爽快なのです 笑

 

 しかもこのウィン、チートな能力やラグジュアリーな生活を享受しつつ、自分が少々嫌味なことも自覚してるっていうところが、推せる! 笑

 

 

※偉そうだけどちゃんと自分を笑うセンスもある、ちょっと昔のイギリスのスパダリ貴族探偵

 

※様子がおかしいけど仕事ができて友だちもいる、NYのツンデレイケメン貴族風探偵

 

※口の減らない行動派のイギリス貴族探偵

 

※推理じゃなくて真相を「見る」、旧華族探偵・榎木津礼二郎のことも思い出しました

 

※こちらもちょっと似た匂いが

 

※調査も推理もしない貴族(だけど探偵)

 

 

*ミステリーでは一般に、チートとか天才じゃない方を語り手にするものなんですよねー。

 ホームズじゃなくてワトソン、ポワロじゃなくてヘイスティングス、という風に。

 

 \珍しいホームズの一人称作品を収録/

ミステリー好きならぜひ読んで! 重厚な謎と、ツイストに次ぐツイスト

 ウィンのチート設定を活かして、ノワールとしても探偵ものとしても読みごたえのあるこの作品。

 

 FBIから事情聴取された現在の事件の謎も魅力的ですが、

 その背景に見え隠れする過去の悲痛な事件が読者の感情を大きく揺さぶり、ページをめくる手が止まりません。

 

 スレたミステリーファンも読んで納得できる、

 無理のない動機と犯行とトリック

 けれんみがあってすっきりするけど、不自然ではない謎解きパート

 

 

1か所だけ、あの携帯電話どうなったっていう疑問はありますが

 

あと、ラストのあの謎は、次の作品まで引っぱられるんですねきっと

 

 

 とりわけ、

 終盤のツイストにつぐツイストは圧巻。

 ある事件の印象はかなり変わるはず。

(わたしの場合は、「え~?!」と思いながらも、ほっとしました)

 というわけで、絶対に

 最後まで読んでいただきたい作品です!

 

(普段は「どんでん返し」を前面に出して紹介するのは避けていますが、本作ではあえて強調しておきます)

あのウィンに、まさかの○○が!

 ――端的に言えば、私の人生には深い愛情というものは存在しない。が、深い友情はある。(p47)

 

 なーんていっちゃう、

 自分の本性を「冷淡で横柄」とみなしているウィンですが。

 

(いや、友情については、美しいセリフだと思うけど)

 

 

 ここにきて、まさかの!

 

○○ができてた!

 

(すみません、詳細は読んでのお楽しみということで)

 

 

 ていうかウィンって、

「愛してるのはマイロンだけ」みたいにいうけど、

 パトリシアや父親の扱いでもわかるように、普通に情が深いと思うのですが。

 

(マイロンへの思いが特別というか、痛々しいほど無垢っていうだけで)

(え、もしかして、言葉の定義の問題?)

 

 

 あと、27章(p419)が始まってすぐに思ったこと。

 

それが愛というものだよ
ウィン。
(ごめんね、えらそうに 笑)

 

 まあ、ウィンもp279で、

 超えらそうに 笑 、あの人にいってましたしね

 

 きっと自分でも、何が起こってるかはわかってるんですよねー 笑

 

「虜」って、自分でいっちゃってたしねー。

 

(かわいげが爆発してるな! 笑)

 

 

 それにしても、よもや、

 p424のようなシーンが見られる日が来るとは……!(感涙)

 

 

 ところでこの件、

 マイロンの甥・ミッキーが主人公の続編YA「ミッキー・ボライター」シリーズとつながっています。

(両作のつながりは、それ以外にも)

 

 そちらのシリーズ作品はまだ邦訳されていませんが、

 第1作『Shelter』のドラマ化「シェルター」がアマゾンプライムで配信中。

 

 気になる方は、ぜひチェックしてください!

 

/無料体験あります\

復讐とか自警団とか

 シリーズ本編でも取りあげられていた私的な断罪や暴力について、本作ではより深く掘り下げられています。

 

 弁護士のセイディにまつわるケースでは、ウィンが事前に彼女の意見を聞くべきだった。

 でもそれとは別に、

 事務所には逆恨み対策として、合法的な警備が必要だったとも思いました。

 元々、(残念ながら)暴力にさらされる可能性の高い仕事なので。

  

 他にもさまざまなケースがある中で、ある男性の変化にびっくりしました。

 そもそも、わたしが彼の立場だったら、復讐しようとは思わなかった気もするけれど。

 

 この作品自体は、エンタメらしくハッピーエンドと呼べるすっきりした結末になっていますが、現実にはウィンのいう「灰色の決断」の積み重ねですよね。

 

 \こんな作品も/

アラフィフのウィンと、過去作からの変化:マイロンとの関係・トレーニングとナイトツアー・あの厩舎のことなど

マイロンにだけは「アイラブユー」がいえたウィン

 シリーズ本編第3作『カムバック・ヒーロー』で、

 

 ――ウィンには物事に対処する独自の方法があって、それは見るものを怯えさせる。マイロンは忘れないようにしているが、ほんとうに恐ろしいのは非論理ではなく論理なのだ――ウィンがその好例である。(p236)

 

 とまでいわれていたウィン 笑

 

 そんな彼は、40代後半になった今も、

 相変わらずマイロンが大好きなんですよねー。

 

 本書p47で、

 

 これまでに愛していると私が告げた相手はひとりしかいない。たったひとりしか。

 

 っていってるのは多分、

 本編第2作『偽りの目撃者』

 このセリフ ↓ のこと。

 

「(前略)ぼくらがもしもおなじだったら、けっしてうまくいかない。いまごろはどっちも死んでいる。あるいは発狂している。ぼくらはたがいにバランスを取る。だからこそ、きみはぼくの第一の友になる。だからこそ、ぼくはきみを愛している

(『偽りの目撃者』p468)

 

*BL展開ではなく、友情の話です。

 

 

 ただ、本書を読み終えて思うのですが。 

 別に、本人に告げてなくても、

 一人称で誰かを「愛している」っていってたら(=思ってたら)、同じことでは?

(いってるんですよウィン)

 

 愛情が深いか浅いかとか、めんどくさいからもう、

 全員、愛してるでよくない?

 

 てかもういえばいいのにパパとかにも。

 

 ウィンって、p279のあの人と似てるよなあと思いました。

 自分の感情がコントロールできなくなることを怖がって、

 自分の愛情深さを認められないところが。

なのに不憫すぎるウィン

 本作でちょいちょい、というか、なにかと・しょっちゅう、マイロンのことを語るウィン。

 

 マイロンのことを恨んではいないけど。

 むしろ、マイロンのパパの言葉を引き合いに出して、めっちゃ健気なこといってるけど。

 

「人間関係というものは決してフィフティ・フィフティにはならない。六対四になることもあれば、時には八対二にもなる。自分が八のほうになることもあれば、二になることもある。大事なのは、それを受け入れ、それでかまわないと思うことだ」

(中略)

 マイロンとの友情が私の人生にどれほど多くの彩りを与えてくれたかと思うと、そう、マイロンは私になんの借りもない。

(p141)

 

 そうはいっても、

 シンプルに寂しいよね? ウィン~!

(かわいそすぎて、読んでて泣けてくる 笑)

 

 だいたい、マイロンはちょっと、ウィンに対して冷たいよ。

 第6作『パーフェクト・ゲーム』の冒頭でも思ったけど!

(既読の方は、首がもげるほどうなずいてくれるはず)

 

 ウィンは今でも、

「マイロンにはすべて話す」(p100)

 とかいっちゃうくらいなのに!

 

 一瞬だったけど、p306の「夢」のくだりなんか、泣きそうになったよ! さすがに。

( さすがに?)

 

 別に悪気はないとか、

 ウィンならその気になれば即マイロンに連絡取れるとか、

 多分マイロン、今回もいろいろ理由つけてるんだろうけど。

 

 ずばり、

 愛されてる側の余裕だよね!

 ちょっと驕りがあるよね! ウィンに対して!

 あいつならこれくらい許してくれるだろ的な!

(実際、許されてますが 笑)

トレーニングとナイトツアー

 毎日最低1時間はトレーニングするウィン。

 

 でも、昔はそんなにやってたのか!

(それで仕事とマイロンの相手もしてたら、普通のデートをする暇はなかろう……)

 

 ナイトツアーはやめたウィン、よかった!

 あれはちょっとね、「仕事人」の域を超えて、当たり屋っていうか、単なるチンピラ疑惑あったからね。

厩舎とか執事とか

 実家の厩舎を壊して新しいものを建てたくだりは、本編第4作『ロンリー・ファイター』で語られた、あの話の続きですね……。

 

 そうかー。

 後悔してたのか、ウィン。

 本編ってマイロン目線だから、

 すごくクールな人に見えてたけど、ほんとは結構ウェットなとこあったんだねえ、ウィンって。

 

 とにもかくにも、新しくして、また厩舎に行けるようになったのならよかった。

(あんまりなってない? 笑)

 

 あと、<ロックウッド屋敷>といえば、

 邦訳初登場・執事兼弁護士のナイジェル

 パーカーとスウェット(共にグレー)が、残念だった……!

 せっかくの「執事」が~。

 燕尾服までは求めないけど 笑

「WIN」こんな方におすすめ

  • 探偵もの・ノワールものが好きなミステリーファン
  • というか、すべてのミステリーファン
  • 超富裕層のニューヨーク生活をのぞき見したい方
  • ダークヒーロー・ウィンのプライベートに迫りたい方
  • バディものが好きな方 ♪
  • チート設定の探偵が好きな方

 

「マイロン・ボライター」シリーズに興味のある方へ:読む順番・主なキャラクター・こんな方におすすめ・あらすじと感想

読む順番

 作中で毎回これまでの情報を整理してくれるこのシリーズ、

 どの作品から読んでも問題なく楽しめます

 

 ただし、主人公マイロンの恋の行方をハラハラしながら見守りたいなら 笑、

 発表順に読むのがおすすめです。

マイロンを取り巻く主なキャラクター

ウィン

 マイロンの二大親友のひとり、

 ウィンザー・ホーン・ロックウッド三世

 顔も頭も家柄もいい上、お坊ちゃんっぽい見た目に反して、テコンドーやらハプキドーやらといった武道・格闘技の達人でもあるという、

 チート設定のアラサー独身金髪WASP(ワスプ)

 

 プレップ・スクールのエクセター校を経て、デューク大学でマイロンのルームメイトに。

 

 ニューヨークのミッドタウンの一等地にある一族が所有するビルの、14階から19階を占める<ロック-ホーン投資保険会社*>の社長。

(*こちらのシリーズでは、ウィンの会社名はこう訳されています)

 

 2階下の12階を、<MBスポーツレップス>オフィスとしてマイロンに貸していて、マイロンの顧客の資産運用もしています。

 

 セントラル・パーク・ウェストにある有名なダコタ・アパートの、祖父から譲り受けたアパートメントで暮らし、ゴルフがうまく、夜型で異常に眠りが深い。

(本人的には正当な理由に基づいた)暴力をふるうことを楽しみ、折あらば悪を「駆除」しようとしてはマイロンに止められています 笑

 女性への扱いを受け入れられるかどうかが、読者人気を左右しそう。

エスペランサ

 マイロンの二大親友の片割れで、第1作では秘書を務めるエスペランサ・ディアス

 マイロンの会社<MBスポーツレップス>で、顧客の投資(ウィルが担当)と法律・交渉(マイロンが担当)以外の業務と、ふたりのアシストを一手に引き受けながら、ロー・スクールに通う働き者です。

 

 前職は大人気プロレス選手で、リングネームは「リトル・ポコホンタス」(ヒスパニックなのに 笑)

 気風がよく何かと頼りになる小柄な美女。

 第1作の4年前に心変わりしてマイロンから離れたジェシカを、彼女とマイロンの再会以来、裏表なく敵視しています 笑

ジェシカ

 そのジェシカ・カルヴァーは、マイロンがプロ入り直後に大ケガをする少し前につき合い始めた、美貌の売れっ子小説家

 

 選手引退を余儀なくされたマイロンが、リハビリやハーバードのロー・スクールに入るなど奮闘していた時期を支えたものの、第1作の4年前に別の男性(ダグというイケメンらしい)と関係を持ち、マイロンの前から姿を消したという過去が。

 

 再会前のマイロンとは、両片思い状態だったようです。

P・T

 出番は少ないけれど気になる存在のP・T

 

「FBIのために働いている」存在で、

「ニクソン以後の大統領は、全員が彼の電話番号を短縮登録している」(第1作『沈黙のメッセージ』p116)

 とされる、謎の情報屋です。

 

 第1作では、経験豊富な保安官のジェイクをマイロンに紹介。

マイロンの両親

 忘れてはならないマイロンの両親

 31歳の息子への愛が重い、ニュージャージー州郊外のリヴィングストンで仲良く暮らすユダヤ系夫婦です。

 

アメリカ東海岸のパワフルなユダヤ系ママといえばこの方

 /論理的な推理が好きな方に超おすすめ!\

こんな方におすすめ

 作中、さまざまな感情が描かれ、それが謎解きにも関係するので、

 

  • ミステリーの人間関係には興味がもてない
  • 不倫や隠し子の話は嫌い
  • キャラが多いと話についていけなくなる(*)

 

 という方には、残念ながらおすすめできません。

 

(*とはいえ、表紙に詳しい「登場人物一覧」があるので大丈夫かもしれません!)

 

 逆に、

 

  • リアルで複雑な人間ドラマが好き
  • ミステリーはドラマで観るのも好き
  • 人間らしいキャラが好き
  • バディものが好き
  • 群像劇が好き

 あるいは

  • (フットボール・テニス・バスケットボール・ゴルフ・野球など)プロスポーツが好き

 

 という方には、たいへんおすすめの作品です!

第1作「沈黙のメッセージ」(原題“Deal Breaker”1995年発表)あらすじ・感想

あらすじ

 31歳の新進スポーツエージェントマイロンボライター

 6月、マイロンはNFL入りを控えたフットボール界の期待の新星クリスチャン・スティールの、高額の契約金交渉を行っていました。

 

 大学フットボールで輝かしい成績を残し、ハンサムで学業も優秀。
 選手としてもCMキャラクターとしても将来有望なクリスチャン。

 

 しかし、交渉相手であるプロチームのオーナーとGMは、1年半前に起きた彼の婚約者の失踪事件を持ち出し、金額の引き下げを主張します。

 失踪したキャシー・カルヴァ―は、クリスチャンと同じ大学の女子寮に住む学生で、レイプ殺人の被害にあった疑いが濃厚でした。

 さらに、交渉の3日前には、検死官だった彼女の父・アダムが何者かに殺されるという、第2の事件が起こっています。

 

 その後、生死のわからないキャシーのヌード写真が載った雑誌が、クリスチャンのもとに届けられました。

 

 キャシーの姉で小説家のジェシカは、マイロンの恋人でした。

 4年ぶりにジェシカと再会したマイロンは、他の顧客のトラブル対応でも忙しい中、彼女の妹と父の事件を調べることになり――。

感想

 物語とはあまり関係ないのですが、なかなか目にすることのない契約金交渉シーンをのぞき見して、その激しさにどきどきしました 笑

 

 主人公のマイロンはハードボイルドスタイルであちこちに出向き、テンポよく次々と事件が起こって、ときには痛い目にも遭います。

 

 とはいえ、がちがちのハードボイルドとは違って、要所要所でマイロンとウィルの推理シーンが挟まれ、内容が整理されるという、読みやすい構成。

 別のキャラの視点に切り替わるシーンもあり、スリルが高まります。

 

 ミステリーとしては、翻訳されているシリーズ7作の中で、1番面白かったかも。

 

 真相はかなり悲惨ですが、被害者のために行動した人の存在で、少しだけ救われる思いに。

 後味は爽やかです。

 

 1996年、アンソニー賞ペーパーバック賞を受賞しています。

第2作「偽りの目撃者」(原題“Dropshot”1996年発表)あらすじ・感想

あらすじ

 全米オープンテニス会場で、顧客のデュエンのシングルス試合を観戦している、もうすぐ32歳になるマイロンとウィン。 (*)

 

 急成長中のデュエンは、15歳で家出してストリート育ちという異色の経歴を持つ黒人選手です。

 

 試合の終盤、会場の中で銃声が響きます。

 フード・コートで発見されたのは、かつては天才少女と呼ばれていた、24歳の元全仏女王・ヴァレリーの死体。

 犯人の目撃情報はありませんでした。

 

 プレッシャーのせいか、女子テニス界の頂点から急落したヴァレリーですが、少し前から復帰をはかっていて、2日前にはマイロンと契約を結びたいとオフィスを訪れていました。

 射殺されたその日も、マイロンのいないオフィスに3回も電話をかけていたのです。

 

 ヴァレリーの所持品から、デュエンの事件への関与が疑われます。

 対応に飛びまわるマイロンを尾行する、謎の車両。

 

 その後、ヴァレリーの不調が、6年前に起きた彼女の婚約者の殺害事件と関係があることがわかり――。

 

*全米オープンテニスは、8月の最終月曜日から2週間、ニューヨーク市郊外で開催されます。

感想

 せっかく全米オープンをいい席で観てるのに、えんえんとテレビ番組クイズを出しあう、マイロンとウィンがウザかわいい 笑

 

 前作に続いて、ウィンの狂犬ぶりがいかんなく発揮される作品です。

 

 サンプラスアガシマイケル・チャングラフセレシュと、実在のテニス選手の名前が大量に出てきます。

 当時の読者は(人気シリーズだけに、もしかしたら選手自身も読んでいたかも?)、どう受け止めていたのかなあ。

 

 1996年発表のこの作品で、「#MeToo」運動につながる問題がすでに取りあげられていることに驚きました。

 

 冒頭はやや散漫な印象ですが、物語が進み謎の形が見えてくるにつれ、ミステリーとしてぐっと面白くなります。

 

 衝撃の真相には、スレたミステリーファンのわたくしとらじ、びっくりからの大興奮。

 ここであのトリックを使ってくるとは……!

 

 もっと評価されていい良作だと思います。

 

第3作「カムバック・ヒーロー」(原題“Fade Away”1996年発表)あらすじ・感想

あらすじ

「ありがとう、わかりきったことを分析してくれて」

「天賦の才ってやつさ」

「ああ、承知してるとも」

(p94)

 

「連中のひとりがおまえさんに似ている」

「この男はたしかにハンサムだが、ぼくのファッション・センスと衝撃的かつ愛くるしい美貌は持っていない」

「謙虚な心もな」

「わかってるじゃないか」

(p395)

 

 マイロンがプロ入り直後のケガでバスケットボール選手を引退してから10年。

 

 NBAのプレーオフが迫った、3月中旬。
 スポーツ・エージェントとしてニュージャージー・ドラゴンズのオーナーとGMに呼び出されたマイロンは、学生時代のライバルでスター選手となったグレグの捜索のため、32歳にしてふたたびプロ入り(=カムバック)するはめに。

 

 プロスポーツ選手の孤独と闇。

 過去の恋とあやまち。

 封じ込めた喜びと憧れ。

 

 5年前にマイロンの前から去り、戻ってきたジェシカとの関係は。

 

 当初はただの気まぐれかとも思われた失踪は、別の事件とつながり、やがて、マイロンの過去の事件の真相に迫ります。

感想

「想いをしまいこむのではなく、過去のものとする作業」

 について語るジェシカ。

 

 相棒ウィンの言葉を借りれば、

 マイロンが”終わり”を得る物語です。

 

 ライトノベルのようなけれんみの強い設定に、軽妙な描写と会話、脇役まで厚く書き込まれたキャラクターたち。

 身長6フィート5インチ(*)、体重300ポンド超の、ビッグ・シンディも登場!

 

(*以後の作品では、6インチとされていることもあります)

 

 評論家・井家上隆幸の解説によれば、”軽ハードボイルド”と評された本作は、1997年に

  • エドガー賞(アメリカ探偵作家クラブ賞)ペーパーバック部門
  • シェイマス賞(アメリカ私立探偵作家クラブ賞)ペーパーバック賞

 をダブル受賞しています。

第4作「ロンリー・ファイター」(原題“Backspin”1997年発表)あらすじ・感想

あらすじ

「もしもヨーホーを頼んだりしたら――」ウィンはいった。「きみの右目を撃ちぬいてやる」

 

「右目か」とくりかえし、マイロンはうなずいた。「えらく厳密にいうじゃないか」

(p75)

 

※ヨーホーとは、マイロンが愛飲する(そして高級レストランには似つかわしくない)缶入りチョコレートドリンクのこと。ソーダ水とチョコレート・ミルクの中間的飲料だそうで、振ってから飲みます 笑

 

 前作のあと、ジェシカと暮らし始めたマイロン

 

 6月、ゴルフ全米オープン開催中のフィラデルフィアにある名門クラブに来た彼は、プロゴルファー夫妻の誘拐された16歳の息子を探すことになります。

 

 出場中の夫ジャックは、23年前に劇的な逆転負けをして以来の好成績で、2位に大差をつけてトップに立ちます。

 

 女子チャンピオンである妻のリンダはウィンの母方の従姉で、母親と確執のあるウィンは関わるのを拒否。

 仕方なく、マイロンは相棒なしの孤独な調査に挑むことになります。

 

 さらに、頼みの綱のエスペランサから、ロー・スクールを卒業したら共同経営者になりたいと、急な話をもちかけられ――。

感想

 ウィンが対人関係に問題を抱えるきっかけとなった、過去の出来事が明かされる今作。

 

(といっても、それと気質と環境だけであそこまで特殊な性格になるとは考えにくい、かわいそうではあるものの月並みなエピソードです)

 

 マイロンの単独行動が多いため、ふたりの減らず口の応酬が少なくて残念。

 

 とはいえウィン、自分の実家の所有する「コテージ」のカウチで寝落ちしたマイロンに、そっと毛布をかけてくれたりはするんですけどね 笑

 

 ウィンのチートをあてにできない分、ミステリーとしては、マイロンの地に足のついた調査と推理を楽しめる作品。

 

 エスペランサ、28歳でこのキャリア、人生早いな!

 このスピード感で生きている彼女からすると、マイロンの逡巡にはイライラしてあたりまえなのに、なんだかんだいって優しいんですよねー 笑

 

 スポーツ・ウェア会社「ズーム」オーナーでユダヤ人の、60歳を過ぎても落ち着きのないノーム(ノーマン・ズッカーマン)のキャラも面白かったです 笑

 

「わーお!」ノームは一度だけ手を叩いた。「このユダヤ人バスケットボール・スターには、ゴルフの知識もある! ところで、マイロン、ボライターとはどんな由来を持つ姓なんだ、わたしの同族のくせに?」

 

「話すと長くなります」

 

「よかった。わたしもとくに知りたいわけじゃない。儀礼上、尋ねただけだ。どこまで話したっけ?」

(p84)

 

 1998年、バリー賞ペーパーバック賞を受賞。

第5作「スーパー・エージェント」(原題“One False Move”1998年発表)あらすじ・感想

あらすじ

 プロローグは、前作に続く1998年9月15日。
 校庭を見おろすある墓地で、まだ新しい墓の前にたたずむマイロンに、ある人物が近づいてきます。

 本編は、それを2週間ほどさかのぼった8月30日にスタート。
 女子プロバスケットボール新リーグのホープで、休学中の医学部学生でもある、25歳の美女ブレンダの護衛をするはめになったマイロン。

 

 高校時代のマイロンは、彼女の父・ホレスからバスケットボールの指導を受けていました。

 1週間前にホレスが失踪して以来、ブレンダは謎の脅迫に悩まされています。

 

 20年前に、幼いブレンダを残して、同じように失踪した母のアニタ

 ブレンダの母でホレスの妻であるアニタの事件が、ホレスの失踪と関係があるようです。

 

 ブレンダに頼まれてアニタとホレスの行方を追うマイロンに、権力者たちの魔の手が迫ります。

 

 一方、ロスに出張中のジェシカは、作家として活躍の場を広げようとしていました。

 彼女がふたたび離れる不安にさいなまれるマイロン。 

 

 マイロンの会社<MBスポーツレップス>は、エスペランサのオフィスを作るためリフォーム工事中です。

 なのに、肝心の共同経営については答えを保留するマイロンに、1週間で答えが出なければ退職するとエスペランサは告げます。

 

 追いつめられたマイロンの前に、心を揺らす出会いが――。

感想

「運を天にまかせてジャンプすれば、ぼくらの考え方は変わるかもしれない」(p149)

 

 というウィンのセリフが、すごい説得力!

 意外と柔軟だったんだなー、ウィン

 

 浮気や心変わりを許せない&すぐに不安になる繊細なタイプには、関係の再構築って無理なのかも……。

 しかも、自分も、浮気はしないといいつつ、ちょいちょい他の人にふらっとしてるわけだし。

 

 結婚願望の有無や、希望するライフスタイルもかけ離れてるし。

 p319でエスペランサもいっているように、この組合せには無理があるような。

 他人との距離感が違いすぎるのも、「合わない」気が。

 

(でも、その違いがあるから、相手にミステリアスな魅力を感じたりするんですよねえ)

(あと、このシリーズ、美女多すぎ 笑)

 

 ウィンに加え、エスペランサもアクションで大活躍する作品。

 

 前作で登場したあの人が、元気そうでなによりでした 笑

 

第6作「パーフェクト・ゲーム」(原題“The Final Detail”1999年発表)あらすじ・感想

あらすじ

 冒頭、南の島の美しい海岸で、ブルネットの美女と海を眺めているマイロン

 

 美女は、CNNのゴールデンタイムでアンカーを務める、キャスターのテリース・コリンズ

 互いにうちひしがれていた彼女とマイロンは、3週間あまり前に出会って意気投合し、そのまま帰国予定も決めずに逃避行に出発したのです。

 

 そこに颯爽と現れる、マイロンが行き先を教えなかったはずのあの人 笑

 

 自分がいない間に、共同経営者となったエスペランサに殺人容疑がかかっていると知らされ、彼女に仕事を押しつけて逃亡した罪悪感にさいなまれるマイロン。

 

 殺されたのは、マイロンの最初の顧客でデューク大の友人でもあったベテラン野球選手、ニューヨーク・ヤンキースのリリーフピッチャーの、クルー・ヘイドでした。

 

 逮捕されたエスペランサは、ウィンやマイロンとなぜか話をしたがらず――。

感想

 物語の時期は、前作からひと月ほどたった、マイロンが33歳になる年の10月でしょうか。

(はっきり書かれているところがみつからなかったのですが、シーズン中であることや、クルーのアパートメントの契約が12月までだったことから)

 

 前作がこれまでになく悲しい結末だっただけに、読者としては、

 マイロンのその後がめちゃくちゃ気になるところ。

 

 が、そんな読者心を翻弄するように、冒頭から飛ばしてくる作者コーベンとマイロン! 笑

 

 あのエスペランサが殺人事件の容疑者ということで、読者はラストまでぐいぐい引っ張られます。

 

 ビッグ・シンディやマイロンの、エスペランサとの友情が胸アツ

(エスペランサ、いいやつ!)

 

 マイロンの軽口も健在。

 物語にはまったく関係ないのですが、p136の

「ドアベル」

 のくだりがくだらなすぎて、何度読んでも笑えました 笑

 

 ジェシカとの関係や、新キャラ・テリースにも注目。

 

 ミステリーとしては、話の流れに無理がなく、あちこちの伏線も効いて、読みごたえがありました。

 

 ここまでの作品では掘り下げなかった、個人による断罪の危うさについても考えさせられます。

 

 ――「ぼくらのなかに、状況がそれを求めたとき、人を殺せない人間がいるだろうか?」(p312)

 

第7作「ウイニング・ラン」(原題“Darkest Fear”2000年発表)あらすじ・感想

あらすじ

 秋も深まったある日。
 前作に続き、ウィンの家で居候中のマイロンですが、移住計画を立てている両親が実家を売りにだしたことや、父の心臓疾患に胸を痛めています。
 
 そこへ、大学4年生までつきあったあと、マイロンと別れライバルのグレグと結婚したエミリーが現れました。
 
 グレグと離婚してふたりの子どもを育てているエミリーは、13歳の息子ジェレミーが、骨髄移植をしなければ死に至る難病にかかっていると話します。
 
 しかも、骨髄バンクでドナーが運良くみつかったにもかかわらず、その人がなぜか姿を消してしまったとのこと。
 
 プライバシー保護のためにドナーの情報は伏せられていますが、かつてグレグを探しだしたときのように、消えたドナーをみつけてほしいとマイロンに頼むエミリー。
 
 断るマイロンに、
「あの子はあなたの息子よ」
 と、エミリーはいって――。

感想

 第3作『カムバック・ヒーロー』に出てきた、因縁のグレグやエミリー(と、ちらっと登場した子どもたち)がふたたび登場。
 
 このふたりは前作について、もうちょっとマイロンに感謝しててもいいのではなかろうか 笑
 
 わたしならあのエミリーのいうことはあまり信用しないけど、
 昔から結婚願望の強かったマイロンは、突然現れた「息子」の存在で感情が大忙しに。
 
 彼なりに一生懸命とはいえ、のんきというか夢見がちなんですよねー。
 
 前作で登場した、キャスターのテリースが活躍!
 
 ついでに、前作からといえば、まさかのあの人も 笑
 
 健康を心配されているマイロンのパパですが、舌はよく回ります。
 
「そこの料理は、おまえが八歳のときにママが感謝祭でつくった七面鳥とおなじくらい乾ききっている。憶えてるか、あの七面鳥?」
 
「夜になるとときどき思い出して――」マイロンはいった。「眠れなくなるんだ」
(p336)
 
(*マイロンのママは、料理を一切しません)
 
 エージェント・マイロンの面目躍如、交渉シーンや、終盤のツイストも秀逸。
 最後まで目が離せない作品です。
 

第8作~第11作:翻訳未定

第8作「Promise Me」(2006年発表)

 マイロンとあの人の約束の行方は。

第9作「Long Lost」(2009年発表)

 舞台はパリへ?

第10作「Live Wire」(2011年発表)

 元人気テニス選手が、妊婦になって依頼に。

第11作「Home」(2016年発表)

 誘拐された少年がみつかり――。

第12作「エージェントは二度推理する」(原題“Think Twice”2024年発表)

 あの人が殺人の容疑者に?

番外編「WIN」(2021年発表):この記事でご紹介しました

マイロンの甥ミッキーが主人公のYAシリーズ:翻訳未定・Amazonプライムでドラマ化も

第1作「Shelter」(2011年発表)

 

 邦訳は未定の作品ですが、

 Amazonプライムビデオで、本作のドラマ化作品を配信中です!

 

 この記事でご紹介した『WIN』の、超重要なキャラクターが登場しますよ~。

 

 気になる方は、ぜひチェックを!

 

/無料体験あります\

第2作「Seconds Away」(2012年発表)

第3作「Found」(2014年発表)

Found: A Mickey Bolitar Novel, Book 3 (English Edition)

Found: A Mickey Bolitar Novel, Book 3 (English Edition)

  • 作者:Coben, Harlan
  • G.P. Putnam's Sons Books for Young Readers
Amazon

 

 

 

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 みなさま、どうぞ楽しい物語体験を ♪

 

 

☆この記事では、以下のサイトを参考にしました。

 

■ハーラン・コーベンとネットフリックスについて

 

○海外ドラマの最新情報&新作ニュースを取り扱う専門メディア「海外ドラマNAVI」

「海外ドラマ界のヒットメーカーが夢のタッグ!Netflixで「マイロン・ボライター」シリーズ始動」

 

(引用元)

DEADLINE

"Myron Boliter series in works at Netflix as Harlan Coben extends overall deal at streamer”

“‘Myron Boliter’: David E. Kelley joins Harlan Coben on Netflix's TV series adaptation of popular books”

 

■『WIN』について

 

○翻訳ミステリー大賞シンジケート

「第百四十三回はハーラン・コーベン(シリーズ・スピンオフ)の巻(執筆者・三角和代)」

「ハーラン・コーベン『WIN』(執筆者・田口俊樹)」

 

■「マイロン・ボライター」シリーズについて

 

○翻訳ミステリー大賞シンジケート

「第二回はハーラン・コーベンの巻(執筆者・三角和代)」

「第百二回はハーラン・コーベンの巻(その2)(執筆者・三角和代)」

 

■「マイロン・ボライター」シリーズと、マイロンの甥が主人公の「ミッキー・ボライター」シリーズについて

 

○翻訳ミステリー大賞シンジケート

「【読書探偵応援団】第二十一回はハーラン・コーベンのYAの巻(執筆者・三角和代)」

 

 

 

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