あちこちに散らばる被害を受けた店には、共通点が見当たらない。
あるとき、それが同じ人物による犯行だと気づいた岡っ引きは――。
時代劇短編集『幻色江戸ごよみ』(1994年出版)収録作品。
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「神無月」あらすじ
神無月のある夜ふけ、小さな居酒屋の片隅で醤油樽に腰掛け、鮫の皮の煮こごりで酒を飲む岡っ引き。
彼は2か月に1度この店に来ては、60を過ぎた店のおやじに時折話しかけながら、お銚子3本だけ飲んで帰るならわしです。
ちょうど去年の同じ時期におやじに話したある事件について、今年は「まだ」だという岡っ引き。
それは、毎年1度だけ、それも決まって神無月に押し込みをはたらくという、不思議と律儀な賊の話でした。
場面変わって、夜もふけた頃、とある長屋のほの暗い部屋の隅で、傍らで眠る8歳の娘のためにお手玉を作っている男。
出産で亡くなった妻にかわって、男手ひとつで体の弱い娘を育てる彼は、毎年、小豆を詰めたお手玉を愛娘に作ってやるのです。
一方、居酒屋では、岡っ引きが事件の話を続けていました。
5年前の神無月、彼のシマで起きた押し込み。
鮮やかな手つきで質屋から10両だけ奪った犯人は、見つからずじまいでしたが、その後ふとしたことから、同じ手口の押し込みが8年前からあちこちで起きていたことがわかります。
犯人は堅気で頭のいいやつだという岡っ引き。
年に1度だけ、「神様が留守」の神無月に決まって押し込みをする犯人とは――。
「神無月」感想
オーディブルでわずか43分という短編です。
安楽椅子探偵ものですが、ミステリーとしては薄味。
だけど、作者の得意な江戸情緒が!
めっちゃいいんですよねー!( 語彙が貧弱)
これ、オーディブルに合うだろうなー。
と思ったら。
やっぱりですよ。
前に、「聴いて怖い」ミステリーの紹介記事でも、同じこと書きましたけどね。
「語り」がめっちゃ合うんです、この作品。
\「聴いて怖い」ミステリーはこちら/
しかも、ナレーターは俳優の大杉漣さん。
期待が高まりますよねえ。
(オーディブルの説明によれば、蓮さんには「300の顔を持つ男」という異名があったそうです)
(早すぎるお別れでした……)
神無月(旧暦の10月)の、深夜にですね。
ようやく貫禄が出てきた30代後半の「親分」(=岡っ引き)が、行きつけの居酒屋の隅でひとり、鮫の皮の煮こごりで熱燗やってるんですよ。
親分、納豆汁が好物なんですよ!
店のおやじさん、納豆汁用におねぎ刻むんですよ!
(1回落ち着こう)
もうね、「○○は○○に……」っていう、最後の文が!
(落ち着け)
(ネタバレ防止に伏字多めでお送りしております)
岡っ引きとおやじの推理を聴きながら、「どんな犯人だろう」と想像がふくらみます。
ていうかこのおやじさん、めっちゃ犯人のことわかってるなー。
強盗の被害にあった大店は気の毒ながら、どこも叩けば埃の出るような、あくどい感じのお店。
クラウドファンディングとかもないこの時代、これくらい仕方ないよね、と思いたくなるけれど。
やっぱ、ダメなものはダメなんですよね……。
それがよくわかっている、まっとうな登場人物たち。
悪人らしい悪人が出てこない作品でした。
「神無月」こんな方におすすめ
- 江戸情緒に浸りたい方
- さくっと短い人情もの・ミステリーを読みたい方
- 宮部みゆきのファン
- 大杉漣のファン
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