「ほんとうの名前は教えない」アシュリィ・エルストン ~YA+スパイ+コンゲーム=そんなの好きに決まってる~

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 組織の用意した偽の名前でターゲット男性に接近し、彼の裏稼業について調べている「わたし」

 だが、彼と出席したパーティーで自分そっくりの女性と出会い、さらに彼女が「わたし」の本名を名乗ったことで、事態は急変。

「わたし」の本当の出身地や経験を自分のこととして語る、「わたし」になりすます彼女は何者なのか。

 そして任務の行方は。


 2024年出版のベストセラー長編サスペンス。

 

 

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■目次■
 

ほんとうの名前は教えないアイキャッチ

「ほんとうの名前は教えない」あらすじ

 主人公の「わたし」は、27歳の女性ルッカ・マリノ

 

 ボスの指示で、エヴィ・ポーターという偽名と用意された偽の身分を使って、ルイジアナで証券会社地方支店長を務めるライアンに接近し、彼の裏の仕事について情報を集めています。

 

 地元に密着して暮らす、裕福なライアンの幼馴染たちに受け入れられるため、特に彼の女友達グループの警戒心をとくために、得意の嘘を重ねる「わたし」

 

 青い目に黒い髪の「古典的なハンサム」のライアンは、出会って間もない「わたし」に夢中で、「わたし」は彼が祖父母から受け継いだ家で同居することに。

 

 庭にハチドリのえさ箱まであるその屋敷は、昔トレーラーハウスに住んでいた「わたし」と母が夢見た、理想の家によく似ていました。

 

 ある日、ライアンと一緒にパーティーに出席した「わたし」は、自分によく似た姿の女性と出会います。

 

 そんな彼女は、なんと「わたし」の本名「ルッカ・マリノ」と名乗り、「わたし」の出身地や母のことまでも自分のこととして語りました

 

 彼女は何者で、どんな目的があるのか。
 ショックを受けながらも、ライアンや仲間たちの前では平静を装い、調査を続けようとする「わたし」ですが――。

 

 原題は“ First Lie Wins”

(最初の嘘がとおれば、あとはよし)

 2024年出版の人気作品です。 

「ほんとうの名前は教えない」著者アシュリィ・エルストン

 若林踏氏の「解説」によると、
 著者のアシュリィ・エルストンは、ルイジアナ州立大学で学位を取得(ライアンと同じ! 笑)、同州在住。
 
 ウェディング・フォトグラファーを経て専業作家となり、
 2013年にYA(ヤングアダルト)向けのミステリー作家としてデビュー。
 
 5冊のYA小説を刊行し23か国語に翻訳されたあとで、初めての大人向け小説として本書を発表しました。

「ほんとうの名前は教えない」感想

最初にこれだけは言っておく

 暑さを忘れて読みふけりました、

 というのは嘘ですが。

(熱中症の危機)

 

 読み終えて本を閉じたとき、エアコンですっかり身体が冷えてしまっていたことに気づいたのは、本当です。

(ダメな大人)

 

 ダメな大人もそうじゃない大人も、一度読み始めたらそうそう途中で止められない作品ですので、

 ぜひともスマートフォンのアラームをかけて、強制的に給水タイムを挟みながらお読みください 笑

あっというまに引き込まれる構成

 冒頭から説明もなく、

 嘘を重ねた綱渡りを続ける「わたし」

 

 読者はハラハラしながら、ついページをめくってしまうんですよね。

 

 しかも「わたし」は、

 非常に有能な「泥棒」というだけでなく、読者に肩入れさせる魅力のあるキャラクター

 

 たまに痛い目にあいながらも、任務でもそれ以外でも、

 自分のこだわりを貫いて欲しいものを獲得していく姿が爽快です。

 

 途中から「わたし」の過去がカットバック形式で挟まれ、読み手はようやく、彼女の状況がわかってきます。

 

 このカットバックが、よく計算されていて! 

 

 くーーー!

(語彙力の欠如)

 

 最初からスピーディーだった展開が、途中からさらに勢いを増すという、

 夜更かし必至の恐ろしい構成です。

恋も涙もあるスパイもの(血は少なめ)

 前述のとおり、本書はスパイものという側面が強い作品です。

 

 が、そうはいっても、たとえばル・カレの作品のような、

 血も涙もないというか、まるで冷凍庫で暮らしているかのような無味無臭の私生活を送りながら作戦遂行、というタイプのスパイ小説ではありません

 

(ほんとかわいそすぎますよねー、ル・カレ作品の優秀なスパイたち)

 

 

 

 本作ではむしろ、「わたし」がターゲットのライアンや他の登場人物と結ぶ関係や、名前と生い立ち=アイデンティティを奪われた「わたし」の心の揺れが、結構な割合を占めています。

 

 子ども時代の「わたし」が、過酷な環境の中で大切にしていたものたち。

「わたし」がまだ20代後半のせいか、良くも悪くも子ども時代の影響が大きくて、読んでいると切なくなります……。

 

「解説」にある通り、「青春小説のような興趣」、つまりYAみ強めの作品

 主人公がやってることは結構アレなのに、「がんばれ!」と思わず応援してしまいました。

気持ちよく騙される! いつのまにかコンゲームの真っただ中に

 前述のうまい構成のせいで、最初は一種のスパイものとして読み始めたはずの読者は、いつのまにかコンゲームの世界に巻き込まれているんですよね。

 

わーーー
やられたーーー。

 

楽しいな!! 笑

 

 実はわたし、

 途中で察したどんでん返しが! それも複数! ありましたけども!

(じまん)

 

 全体像はわかりませんでした! 笑

(こうさん)

 

「わたし」の1番の(?)大技が出たときなんか、

「くはっ」

 てなりましたよね~……。

 

 そんな……え、いいのそれで……?

 って。

(震えながら号泣) 

 

 たしかに、それ、最強だろうけど。

 人間って、案外それが大事なんだなあって、今回初めて気づいたっていうか……。

(引き続き号泣)

 

 前向きすぎるというか掟破りのあの大技、事前に気づいてた読者はいるのかなあ?

動機とかラストとか:求む続編

 読み終わって、エンタメにふさわしいラストに、

「は~」

 となりました。

 

 が、振り返ってみると、

「え、あの人のアレの動機って、結局そういうこと?」

 とか、

 ラストのラストとか、組織運営とか、

 もうちょっと説明してほしいことが。

 

 続編を! 求めます!

(映像化でも。とても映えると思います)

「ほんとうの名前は教えない」こんな方におすすめ

  • 恋愛要素のあるミステリーが好きな方
  • スパイもの好きさん
  • コンゲーム好きさん

 

 におすすめです。

 

 さらに、

 ミステリーファンでもそうじゃなくても、

 

  • YA作品が好きな方

 

 には、たまらないものがあるのでは。

(わたしもです~! 笑)

 

 

 

 

 

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 みなさま、どうぞ楽しい物語体験を ♪

 

 

 

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