「ミステリ国の人々」有栖川有栖 ~超おすすめミステリー案内:これから読みたい人も、読んできた人も~

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 今回は、大好きなミステリー案内をご紹介します。
 本格ミステリー作家・有栖川有栖による、「ミステリのガイドブック」+「作家のエッセイ」のこちら ↓ !

※リンクは電子書籍ですが、紙の中古本等もあります
 
なお、カラーで電子書籍を読むならこちらがおすすめ。
目に優しい「Eインク」、これ1台でアマゾンkindleも楽天Koboもカラーで読める、優秀な子なんです ↓ 

 
 
 さて、この本がユニークなのは、作品に出てくるキャラクターの紹介という形で、さまざまな作品や作家を取り上げているところ。
 
 ただし、紹介したいキャラクターが多すぎるため、作品はすでに亡くなった作家のものに絞ったそうです。(1回だけ例外あり)
 
 日経新聞で連載されていた記事をまとめた本で、連載時から楽しく読んでいたわたしは、本になったときとっても嬉しかったです♪(読み逃した回もありましたし)
 
 しかも、新聞ではモノクロだったおしゃれなイラストが、豪華なカラーになって、表紙カバーいっぱいに広がってる……!
 
 この、大路浩実さんによるイラストたちがほんと見ごたえありで!
 しかもイラストの他にも、ページの表記(ノンブル)が凝っていたりと、読み返すたびに目が喜ぶ嬉しい本なのです。
 
 というわけで、もう1回見てくださいよこの表紙~! ↓
(背表紙もかわいいし、折り返しもかわいい!)

 
 もちろん中身も充実で、ヴァン・ダイン(作家名ではなく、小説のキャラクター、つまり名探偵ファイロ・ヴァンスものの語り手の方)が登場する第1回から、ポワロとミス・マープルを紹介する最終回まで、合計52回分のエッセイがまとめられています。
 
 ジャンルは本格ミステリーに限らず、「執事ジーヴズ」ものや、クライム・コメディ『ホット・ロック』、誘拐ものといえばの『大誘拐』に、山田風太郎(忍者じゃなくて刑事もの)や山本周五郎(復讐もの)の作品まで、幅広し。
 
 ミステリーを「これから読みたい人」と「浴びるほど読んできた人」の両方が楽しめるように書かれたそうで、どの回も読みごたえのある内容ながら、わかりやすく穏やかな語り口で読みやすいところが素晴らしい。

ミステリ三大奇書(ってナニ?)

 
 たとえば、「日本のミステリ三大奇書」のひとつ(「奇書」ってワード強すぎる 笑)、『黒死館殺人事件』の回では、字面からして怖い旧仮名遣いの原文をさんざん引用して、おどろおどろしい作中の世界についてぴしぴし説明したあとで、
 
 ここまで読んできて、はったりのすごさに感心しましたか?
 これはほんの序の口です。
 
 とかいい出して、笑わせてくれるのです。
(はんなり系ナニワの男~)
(著者の有栖川有栖先生は、アリスというお名前ですが男性です)
 
 読んでよし、眺めてよしの本なので、そろそろクリスマスや年末年始の準備も始まる時期ですし、みなさま自分へのご褒美に買われるのもいいんじゃないかなと。
 そして、「これから読みたい人」も、まんまとミステリーファンになってしまえ~ 笑

ミステリファン必読の短編集ベスト3(とは?)

 
 ここでわたしの話をしますと、この本で知って読んだ本が何冊もあります(『戻り川心中』とか、トマス・フラナガンとか、以前紹介した『ブラウン神父の童心』も)
 でも、まだ読んでいないものもたくさん。
 
 そういえば、有栖先生の考えるミステリファン必読の短編集ベスト3は、
・『怪盗紳士ルパン』
 そして
 だそう。
 
 というわけで、次の記事こそは前々回の予告 ↓ どおり、『シャーロック・ホームズの冒険』を取りあげます。(つながった♪)

 

※今年は有栖先生デビュー35周年ということで、書店にはこんな本たち ↓ もいい場所に飾られてますね。

売れっ子後輩作家たちに作品を捧げられるなんて、かっこいいなー
 
(最新作!)

 
 
 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
 どうぞみなさま、楽しい物語体験を♪