=もっと作品を楽しめる! おすすめの本を紹介します。
今後新たにみつかった本も、随時追加する予定です。
食で作品の世界にひたる
1.「イギリスのお菓子とごちそう アガサ・クリスティーの食卓」
著者と概要
■著者 北野佐久子:
児童文学・ハーブ・お菓子などを中心にイギリス文化を紹介。
日本人初の英国ハーブソサエティー会員。
ビアトリクス・ポター・ソサエティー会員。
■1998年刊行の『アガサ・クリスティーの食卓』を元に、グリーンウェイやバー島、ダートムアなどの現地レポートを追加。
作品にまつわる食べ物やエピソード、レシピを紹介した本。
2019年出版。
チャームポイントとおすすめの楽しみ方
- p8 ほんもののシードケーキ 『バートラム・ホテルにて』
- p64 焼きたてのスコーン 『葬儀を終えて』
- p96 アガサ・クリスティーの家 ~グリーンウェイを訪ねて~
- p128 紳士が食べるステーキとキドニーのプディング 『二十四羽の黒つぐみ』
……と、目次を眺めるだけでもわくわくする、楽しい本。
作品にちなんだおいしそうな食べものや、クリスティーにまつわるエピソードが、たくさんの写真と共に紹介されています。
本文中では、目次に書かれていないクリスティー作品についても触れているので、注意深く読んでくださいね。
テムズ川やフォートナム・メイソンのような、イギリスの小説でおなじみの場所や、一般家庭のキッチン、定番の朝食メニュー、野生のブラックベリーや牛タンの缶詰(『そして誰もいなくなった』のあれ!)まで、写真つきで紹介されています。
●美しい写真を眺めるだけでも楽しめます。
(今はなきおしゃれ雑誌『ヴァンテーヌ』での連載を元にした本なので、写真が豪華です✨)
●作品を読む前・読んだあとに、辞書のように使うもよし。
●紹介されているレシピで、料理やお菓子を再現するのも楽しそうです。
食で作品の世界にひたる
2.「イギリスのお菓子と本と旅 アガサ・クリスティーの食卓」
著者と概要
■著者 前項と同じ北野佐久子氏
■著者が、留学中や結婚後のイギリス生活で得た、イギリスの文学作品を理解するには作者の担うローカル性を感じ取ることが必要という思いから作られた本。
2024年出版。
チャームポイントとおすすめの楽しみ方
- p12 スコーンとゆで卵のランチ 『三幕の殺人』
- p86 グーズベリーパイ 『もの言えぬ証人』
- p158 イギリスのカトラリーの歴史 『ゴルフ場殺人事件』
- p168 英国最古の香水・ラベンダー水 『茶色の服の男』
- p230 焼いた干しブドウとクリスマス 『ポアロのクリスマス』
……などなど、こちらも目次を眺めただけでわくわくするような、クリスティー作品と食、さらにイギリスの生活にまつわるエピソードが。
わたしが衝撃を受けたのは、キッチンリネンの説明で書かれていた、イギリスでの食器の洗い方ですね……笑
様々な場所で撮られた美しい写真や、美味しそうなレシピもたっぷりです。
- p108 ABCショップのチーズケーキ 『サニングデールの謎』(『おしどり探偵』より)
では、T・Sエリオットやヴァージニア・ウルフ、ジョージ・オーウェルなどの作品にも出てくる伝説の店・ABCティールームや、イギリスのチーズケーキについて、詳細に紹介。
短編『サニングデールの謎』の中でトミーが真似している、バロネス・オルツィの『隅の老人』に出てくる探偵の説明も。
\『隅の老人』の記事はこちら/
作品の世界を旅する
「アガサ・クリスティを訪ねる旅 鉄道とバスで回る英国ミステリの舞台」
著者と概要
■著者 平木杏子:
エッセイスト。
昭和女子大学人間文化学部教授。
■イングランド南西部やロンドンの、クリスティーが実際に暮らした場所や、作品のモデルとなった場所(ポワロのフラットなど)を、列車やバスでめぐった旅行記です。
2010年出版。
チャームポイントとおすすめの楽しみ方
鉄道が大好きだったクリスティーにちなみ、著者はロンドンのパディントン駅から出るグレイト・ウェスタン鉄道で旅をします。
たくさんの写真に加え、巻末にはクリスティーの生涯と作品発表の年表も。
クリスティー作品の聖地巡礼の機会があれば、ぜひご参考に 笑
巡礼しない方も、眺めるだけで旅した気分にひたれる本です 笑
アガサ・クリスティーの故郷トーキー
デヴォン州の海に近い人気リゾート地、「イギリスのリヴィエラ」と呼ばれたトーキー。
アガサはこの地に父フレデリック(アメリカ人の資産家)と母クララ(イギリス人)が購入したアッシュフィールド屋敷で、姉のマージョリーや兄のルイ・モンタントと一緒に育ちます。
アガサが6歳のとき、父の体調が悪くなって一家はパリに移り、11歳のときに父は他界。母子は屋敷に戻ります。
アガサは大人になってからも、最初の夫の出征中や出産の際には、この屋敷で暮らしました。
アガサは1938年に屋敷を手放し、その後屋敷は1962年に取り壊されました。
トーキー駅でのクリスティー生誕100周年イベント(1990年)
アガサ・クリスティー生誕100周年を祝して、デイヴィッド・スーシェ扮するポワロと、ジョーン・ヒクソン扮するミス・マープルが、オリエント急行に乗って、クリスティーの故郷・トーキー駅に登場!
原作では会うことのなかったふたりが出会うという、楽しいイベントがあったそうです 笑
様々な作品の舞台
●ダートムアは、デビュー先『スタイルズ荘の怪事件』を書いた地。
アガサが好きだったシャーロック・ホームズ作品『バスカヴィル家の犬』の舞台でもあります。
●ウディコム・イン・ザ・ムア村は、セント・メアリ・ミード村のモデルとされています。
●ダートマスから船でダート川をさかのぼったところにある、ガンプトンの「グリーンウェイ・ハウス」
1938年に購入したこの屋敷は、『死者のあやまち』にナッシ・ハウスという名前で登場。
●さらに西にあるバー島は、『そして誰もいなくなった』の舞台として有名。
●オックスフォードシャーのチョルジー駅で降りてさらに移動した先にある、クリスティーの終の住処「ウィンターブルック・ハウス」と、お墓のあるセント・メアリ教会。
もっと!作品を味わう
1.「クリスティを読む! ミステリの女王の名作入門講座」
著者と概要
書評家・文芸評論家
2024年出版。
チャームポイントとおすすめの楽しみ方
もっと!作品を味わう
2.「アガサ・クリスティー完全攻略〔決定版〕」
著者と概要
ミステリ評論家
2018年出版。
チャームポイントとおすすめの楽しみ方
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
みなさま、どうぞ楽しい物語体験を ♪
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