その後、雪で閉ざされた山荘の中に、逃亡中の殺人犯の新たなターゲットがいるという知らせが――。
ミステリーの女王による、世界一のロングラン記録を持つ戯曲。
原題は“The Mousetrap”
節目の記念に、
ミステリーの女王が亡くなって50年たった今も世界記録を更新中の、戯曲『ねずみとり』をご紹介します。

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戯曲「ねずみとり」とは:原作とギネス記録
戯曲「ねずみとり」と原作
『ねずみとり』は、アガサ・クリスティーの6作目の戯曲。
巻末の浅田寛厚氏の解説によると、
最初は王太后の80歳の誕生を祝うラジオドラマの脚本として書かれた作品が、
クリスティー本人の手で短編小説に、
そして戯曲にと、
下記のように ↓ 書き換えられたそうです。
(1)BBCのラジオドラマ脚本『三匹の盲目のねずみ』:1947年
↓
(2)短編小説『三匹の盲目のねずみ』に書き換え:1950年
↓
(3)戯曲『ねずみとり』に書き換え:1952年
もともとマザーグースのタイトルでもある「三匹の盲目のねずみ」でしたが、同名の戯曲があったことから、戯曲にする際に『ねずみとり(The Mousetrap)』というタイトルに変更されたとのこと。
ただし、この『ねずみとり』の方も、シェイクスピアの『ハムレット』に同名の劇中劇(正式なタイトルは「ゴンザーゴ殺し」というらしい)があるんですよねー。
実はこれ、クリスティーの娘婿アントニー・ヒックスの発案で、あえてハムレットにぶつけにいったのだとか 笑
(悪いわー娘婿 笑)
短編『三匹の盲目のネズミ』の邦訳は、短編集『愛の探偵たち』に収録されています。
なお、本書には、
原題と共に1954年出版という表記(THE MOUSETRAP by Agatha Christie 1954)があるのですが、
巻末の解説p214には、
「戯曲そのものは1956年にサミュエル・フレンチ社から出版され」という記載が……。
(どっちー?)
世界最多連続上演! 超ロングラン劇「ねずみとり」
劇『ねずみとり』は、
1952年11月25日、ロンドンのアンバサダーズ・シアターで上演を始めて以来(1974年3月25日からは隣のセント・マーティンズ・シアターで上演)、驚異的なロングランを続けています。
1958年以降は、世界でもっとも長く連続上演された劇としてギネス記録を保持。
コロナ禍で一時中断されたものの、現在も記録を更新中。
2025年3月19日には、3万回目の公演を祝いました。(※)
カーテンコールで、
「観客のみなさん、どうかこのラストのことはお帰りになってもお話しにならないでください」
とお願いするのがお約束だとか。
日本でも、2025年9月に東京の博品館劇場で上演されるなど、人気の演目です。
戯曲「ねずみとり」あらすじ
戯曲「ねずみとり」感想
クリスティー作品でおなじみの「雪の山荘」もの。
サスペンスです。
殺人やいたましい虐待の話も出てきますが、読後感はほっこり。
コンパクトにまとまったストーリーに、登場人物たちのキャラも立っていて、人気の劇になるのもわかります。
(クリスティー本人は、当たると思っていなかったそうですが 笑)
もともとセリフのうまいクリスティー作品ですが、戯曲ということで小説よりも細かく長く書かれたセリフが、すごくリアル。
特に、ある人物がパニックを起こすシーンが、劇ならではの魅力でした。
また、残念ながら美味しい食事やお茶は登場しませんが、
戦後で食料も燃料も不足している上に、雪で買い出しに行けない中、モリー(とジャイルズ)が缶詰とありあわせの物でああしてこうしてと料理の計画を立てる描写に、不思議と食欲を刺激されます 笑
これはもしや、読むだけで生命の危機を感じた脳から、食べなきゃと指令が出ているのでしょうか 笑
あるいは、年末年始のおもてなしシーズンを乗り切ったばかりの、わたしの主婦心が刺激されているのでしょうか 笑笑
ミステリーのメインは犯人あて。
このひっかけ、面白いですよねー。
犯行シーンの、サスペンスを盛り上げつつ、舞台としては生々しくなりすぎないという、ラジオの使い方もうまかったです。
戯曲「ねずみとり」こんな方におすすめ
- アガサ・クリスティーのファンなら、ぜひ
- 古典ミステリーを押さえておきたい方
- ロングランのギネス記録作品に興味のある方
- 家族で楽しめる劇/ミステリーに興味のある方
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
みなさま、どうぞ楽しい物語体験を ♪
☆この記事では、以下のサイトを参考にしました。
※WestEndTheatre.com
“The Mousetrap celebrates 30,000 performances in the West End [Updated]”
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